2021.07.15 スカイツリーで「科学博」未来の生活、一足早く体感

空飛ぶクルマ

「はやぶさ2」関連の電子機器やモジュール(許可を得て撮影)「はやぶさ2」関連の電子機器やモジュール(許可を得て撮影)

自立型無人探査機(AUV)自立型無人探査機(AUV)

井上大臣の内覧の様子井上大臣の内覧の様子

 日本が目指す2030年の未来社会を体験できる展示会「Society5.0科学博」が15日、東京スカイツリータウン(東京都墨田区)で始まった。最先端の技術で変化する未来の暮らしや、これまでの科学技術の発達の軌跡を示した展示などを通じ、科学技術の面白さや大切さを発信する。28日まで。主催は内閣府と海洋研究開発機構(JAMSTEC)。

 同展はステージ1から5まで、計5ステージに分け、あらゆる分野の最先端技術や研究成果を200点以上紹介している。宇宙スタートアップのispace(アイスペース)や、宇宙デブリに取り組むアストロスケール、神戸大発スタートアップのIntegral Geometry Science、野村総合研究所、NEC、NTTもブースを出した。

 ステージ1「Society5.0のはじまり」では、調査船「しんかい6500」の実物大模型や、衛星を用いた最新技術などを展示。そのうち「デジタル地球儀」は、数日前の天気や台風、太陽の映像などのデータを球面に投影できる。立体的で、よりリアルな情報を提供する。学校現場など教育分野での普及も目指している。

 また、ステージ2「科学技術のフロンティア」は、宇宙と海洋に注目した大型展示。ここでは、宇宙科学研究所(JAXA)のプロジェクトで、小惑星「リュウグウ」からの試料持ち帰りに成功した探査機「はやぶさ2」をめぐる展示が目玉の一つ。使われた電子基板や装置、試料持ち帰りの際のケースなどが披露される(一部は模型やレプリカ)。

 深海で海底資源調査ができる自立型無人探査機(AUV)なども登場。海底の調査を通じて地震予知などに取り組む活動も展示される。北極の氷なども登場する。

〇生活シーン

 ステージ3「Society5.0の未来像」では、暮らしの場面の変貌が中心。人をアシストするロボットや、自動運転車、「空飛ぶクルマ」など、未来社会に向けた科学技術を身近に感じることができる。「空飛ぶクルマ」は昨年8月に初めて人を乗せて飛んだ実機。乗車体験もでき、機内の雰囲気や乗車感覚を試すことができる。

 ほかにも、ステージ4「Society5.0シアター」では、JAXAやJAMSTECが持つ科学技術関連映像も放映。ステージ5「Society5.0への軌跡」では、Society1.0~4.0までの歴史や未来社会Society5.0に向けた道筋を紹介している。

 説明役の一人は「子どもたちの夏休みの自由研究や総合学習などにもぴったり。家族で楽しんでほしい」と話していた。

 内覧では、井上信治・内閣府特命担当大臣も視察。担当者らの説明に聞き入った。

 同展は入場無料。ただし、会場の一つ「東京スカイツリー(天望回廊)」は、入場チケット購入の必要がある。スケジュールなど詳細はホームページで。オンラインの催しもある。