2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】リバウンドエレクトロニクス海外網で入手困難品を調達

塚原 代表取締役

 リバウンドエレクトロニクスは英国に本社を構える電子部品・半導体の独立系代理店。欧州を中心に事業拡大を続け、グローバルに事業を展開している。欧州で培ったノウハウとグローバルネットワークを生かし、日本の顧客に最適なサービスの提供を目指す。

 現在、自動車をはじめ幅広い分野で電子部品・半導体需要が拡大し、同社の事業も好調に推移している。一部製品は市場で供給不足となり、顧客からの緊急調達受注は急増。顧客から新たな顧客を紹介されるケースも多く、新規取引先は着実に増えている。

 日本法人の塚原雅之代表取締役は「半導体の入手難、価格高騰に頭を悩ませる顧客が増えている。困っている顧客の力になることが当社の目的。顧客の生産を止めないよう、最大限努力する」と話す。

 海外のネットワークを生かし顧客が求める製品をそろえる調達力と、日本の商習慣に合わせて対応できる柔軟性が同社の強み。日本では入手できない製品も、海外の正規代理店には在庫がある場合も多い。「長年の取引実績と信頼関係により、入手困難な製品も調達できる」(塚原代表)とし、顧客への安定供給を実現する。

 供給不足の製品を調達するにはスピードも重要。取引に時間が掛かると入手できない場合もあるため、迅速な手配が必要だ。同社では従来の商取引を見直し、迅速に取引できる仕組みを導入。塚原代表は「一分一秒の差で調達を逃す場合もある。顧客の立場に立ちわれわれも必死になって調達する」と話す。

 旺盛な需要による市場の活況は当面続く見通し。顧客が必要とする製品の調達を進める一方、先を見据えた新たな取り組みも始めている。その一つが、入手困難な製品の代替品提案。通常使用する製品の互換品を探し、サンプルを提供し顧客に検討してもらう。フィリピンに代替品を調査する専任部門があり、技術的な仕様も含め解析している。

 塚原代表は「今年は大きな飛躍の年だが、この活況が続く訳ではない。オフィス移転や人員増強など体制強化を進め、先を見据えた地盤固めを着実に行う。将来的な拠点開設も視野に、人材育成にも取り組む」と話す。