2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】伯東デバイスソリューション強化

阿部 社長

 伯東は半導体・電子部品、電子機器(システム)、工業薬品の3事業を主力とする。2020年3月期連結決算で売上高が過去最高を更新。21年3月期も増収増益、最終利益倍増の好業績を収めた。

 阿部良二社長は、21年度について「半導体不足から22年度までの受注が入るほどだが、サプライヤーの製品供給に対する先行き懸念はあるものの、21年度は前年度並みで推移すると見ている。車載、産業機器分野を中心に医療・ヘルスケアなどの分野にも注力しながら取り組む」と話す。

 21年度から24年度を期間とする中期経営計画「Change &Co-Create 2024」が始動した。収益力の向上、投資効率の高い戦略的投資、資本効率の向上などを基本に、高収益事業への資源の投下、部門を横断した情報・技術の連携による価値の創造、DX、外部資源の連携などを戦略に推進していく。

 阿部社長は「中計は売り上げ規模を追うのではなく収益を重視し、半導体・電子部品はソリューション強化による事業の高付加価値化を図り、安定した事業基盤を構築したい」との方針を示し、最終24年度に営業利益50億円以上、営業利益率3.0%以上、ROE6.0%以上を目指す。

 デバイスソリューション事業強化のため、新組織「ビジネスイノベーション推進事業部」を4月に設けた。ソフト・ハードの受託開発、モジュール設計なども含めた半導体ソリューションの事業化、採算化を目指した組織(16人体制)として運営を始めている。

 電子機器は半導体やプリント基板向けなどの製造装置を扱うが、伯東ブランドとして販売を推し進めているステッパーは、半導体パッケージ市場の拡大に伴って堅調に売り上げが伸長し、並行して次世代機の開発も推進。工業薬品(化学薬品・化粧品)では大手化粧品メーカー向けに化粧品基剤の売り上げを伸ばしている。

 コロナ禍での新たな商材として、米国の空気清浄機メーカー・エアグル社の粒子サイズ0.003マイクロメートルを99.999%捕捉できる高性能cHEPAフィルターを備えた空気清浄機を、店舗やオフィスなどに向けて販売を開始した。