2021.08.03 コニカミノルタが自治体のDX支援サービス23年度1000自治体への展開目指す
デジタル庁の発足を控え、行政のデジタル化の加速が期待される中、コニカミノルタでは地方自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)を支援するサービスを本格化させる。7月から提供を開始した「自治体DX支援プラットフォーム」を、21年度で100自治体、23年度には1000自治体へ展開する計画だ。
デジタル庁が9月1日に発足する。これを機に、課題となっていた行政のデジタル化の進展に期待がかかる。同時に地方自治体のデジタル化も急がれる。特に地方自治体は、職員の高齢化やコロナ禍での業務負荷の増大などを抱え、DXが急務となっている。
コニカミノルタはこれまでも自社のモノづくりと働き方改革で培ったノウハウを活用し、業務の可視化や業務改善などで全国の自治体をサポートしてきた。現在は50以上の自治体の業務改善を支援する。また、自治体と連携した業務の把握、人工知能(AI)技術で強みを持つチェンジ社と自治体業務標準化支援AIの開発などを行ってきた。
今回、長年製造業で培ってきた業務改革を実現するBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)を役立てることで、行政の業務の標準化に応用する手法を開発し、自治体DX支援プラットフォームの提供を開始した。
同社が2018年度から実施する50以上の自治体と連携した調査では、法令に基づく作業の実態、押印の有無、作業時間、頻度などのデータ採取を行い、80万件に及ぶデータを収集。自治体DX支援プラットフォームは、こうした現地調査による膨大なデータを業務や作業で約4800パターンに類型化してAI解析などを行い、支援メニューをテンプレート化した。
徹底して業務量や業務手順を「見える化」することで、「公務員でなければできない業務」と「公務員でなくてもできる業務」の全庁俯瞰(ふかん)視点での分類が行えるようになる。従来公務員が担っていた業務のうち、公務員でなくてもできる業務に関しては、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI-OCR技術などを活用した自動化、アウトソーシングといった担い手の転換などを提案していく。
同プラットフォームでは可視化サービス、業務分析サービス、最適化サービス、標準化サービスなどが提供される。サービスの核となるDXコックピットは、インターネットのほか、国の総合行政ネットワークLGWAN経由でも利用可能。自身の自治体だけでなく、ほかの自治体の取り組みなども参照できる。
同社は自治体DX支援プラットフォームを、デジタル庁が進めるシステムの標準化と表裏一体の関係と位置付け、全国自治体への展開を本格化させる。積極的に地方自治体に関わるコンサルティングフォーム、システムインテグレーターなど30社以上(6月現在34社)と連携し、21年度で100自治体、23年度までに1000自治体への展開を計画している。