2019.11.12 ノア 主力ブランド「ソナス・ファベール」好評、有力アナログブランドも訴求
牧野文保社長
ノアは、78年創業以来の企業理念「ハイクオリティー・ライフスタイルの追求」に合致する海外のオーディオブランドを発掘し、その魅力ある価値を日本に紹介してきた。
現在、20近いブランドを扱っているが、主力として推進しているソナス・ファベール(イタリア)のスピーカについて、ノアの牧野文保社長は「日本で高く評価され、ヒットしたことが欧米各国にも波及し、一流ブランドの仲間入りを果たす契機となった」と語る。
ソナス・ファベールの第1号モデルは、88年に「エレクタ・アマトール」と銘打って発売されたブックシェルフ型スピーカ。今年の3月には、音の輪郭や質感などの特徴を継承した上で新計された35周年記念モデル、バスレフ方式の2ウエイ2スピーカ型の「エレクタ・アマトールⅢ」(ペア130万円)が発売された。
「特徴としてキャビネットには加工が難しい無垢(むく)のウオールナット材の使用や、スピーカスタンド底面部に有名なカッラーラ産の白大理石の採用などが挙げられる。発売以来、月平均10-15ペアの売れ行きで安定している。ソナス・ファベールは『ソネットⅤ』や、受注販売の『アイーダⅡ』(ペア1380万円)も人気がある、というか当社の主力ブランドとして期待通りの実績を拳げている」と牧野社長。
オーディオ愛好家から、絶賛を浴びている「アイーダⅡ」(18年発売)はキャビネットやドライバー・ユニットの開発・設計をはじめ、ほとんどのプロセスがヴェネト州の工房で進められており、受注後、2カ月以内に納入できる態勢を整えているという。
ソナス・ファベールに次ぐ主力のブランドはブルメスター(ドイツ)で、リファレンス・プリアンプ「077」(440万円)と、同ステレオパワーアンプ「911Mk3」(330万円)、ステレオパワーアンプ「036」(138万円)が好評。
「創業者のディーター・ブルメスターは、ロックバンドのギタリスト・作曲家としてプロ活動に参加。理想の音追求のため一念発起し、78年にオーディオメーカーを設立。音楽創作に関わっていた感性を生かし、数値では語り得ない世界を磨き上げてきた。その感動と驚異に満ちた音楽体験を伝えるサウンドづくりはドイツ伝統のクラフトマンシップの魅力に満ちあふれている」(牧野社長)。
ノアは輸入商社として、アコースティカル・システムズ(ドイツ)、クラウディオ(米国)、ニッティ・グリッテイ(米国)、ペアー・オーディオ(スロベニア)などのアナログの一流ブランド製品も扱っており、アナログ人気の再燃にも怠りなく対応している。
牧野社長は「クラウディオのトーンアーム『MP10/12MkⅡ』(125万円)の引き合いが途切れることなく続いていることからも、アナログ復調を実感している。この機を逃さずアナログマジック(カナダ)製品の扱いも開始した」と話し、アナログマジックの製品について「音楽信号をパソコンに取り込んで測定するツール。データは画面上で数値化・可視化されるので、ズレや歪みがどれだけ発生しているか確認でき、理想的なセッティングへの近道となる」と説明する。
ノアは、「東京インターナショナルオーディオショウ」(22日から3日間、東京都千代田区の東京国際フォーラムで開催)でも詳しく紹介する。