2021.08.13 三菱電機 ヘルスエアー技術がコロナ抑制

ウイルス残存率が5分間で99%低減

 三菱電機は、日本繊維製品品質技術センター神戸試験センターと共同で、同社独自のヘルスエアー技術が、実空間を模擬した1立方メートルの空間に浮遊する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の残存率を5分間で99%以上低減することを確認した。

 実証実験では、ヘルスエアー技術で生成した放電電界空間に、浮遊する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を通過させ、新型コロナウイルスの残存率を5分間で99.2%低減できることを確かめた。

 ヘルスエアー技術は、室内に浮遊するウイルスや細菌などを低減することを目的に、2012年に開発した同社独自の空気清浄技術。「放電部」を構成する放電電極と対向電極に、直流電圧を加えて強力な放電電界空間を生成し、その空間を通過するウイルス、細菌、アレル物質などを除去・低減する。

 放電電極にリボン形状(タングステンリボン電極)を採用しており、空間内の広い範囲を高電界化できることが特長だ。

 飛沫(ひまつ)や微粒子に含まれて空気中に浮遊する新型コロナウイルスが感染症の拡大に関係するとされる報告例が増えている。

 同社は今回、新型コロナウイルスの培養技術を持つ日本繊維製品品質技術センター神戸試験センターとともに、新型コロナウイルスを浮遊させた空間でのヘルスエアー技術による実証を行い、同技術が浮遊する新型コロナウイルスに有効であることを確認した。

 ただ、試験装置での実証結果であり、製品・実使用環境での効果を示すものではないとしている。

 実証実験では、新型コロナウイルスの懸濁液を1立方メートルの密閉空間へコンプレッサー式ネブライザーで浮遊させ、せきやくしゃみによって発生する、微粒子として浮遊する新型コロナウイルスを模擬することに成功した。

 1立方メートルの密閉空間において、ヘルスエアー技術を搭載した試験装置を稼働。送風機で試験装置へ空間内の空気を循環させることにより、浮遊する新型コロナウイルスをヘルスエアー技術の放電電界空間を通過させた。

 送風機の稼働およびヘルスエアー技術の通電開始を0分として、開始から5分後および15分後の1立方メートルの密閉空間の空気を、バイオサンプラーでリン酸緩衝生理食塩水回収液20ミリリットルに通過させてウイルスを回収した。

 回収液をプラーク法で測定することで、1立方メートルの密閉空間に浮遊する新型コロナウイルスの感染価の算出を行った。