2021.09.11 【この一本】「モーリタニアン 黒塗りの記録」(配給:キノフィルムズ)

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 2001年9月11日のアメリカ同時多発テロは、20年経った今も人々の心に悲惨な出来事として刻まれている。同作はテロの首謀者の一人として拘禁された男性と弁護士がアメリカ合衆国と闘う実話。

 キューバのグアンタナモ米軍基地に拘束されたアフリカ・モーリタニア出身のモハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)を巡る真相を明らかにすべく、無償奉仕活動として弁護を買って出た弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)と、起訴を担当するスチュアート中佐(ベネディクト・カンバ―バッチ)が、それぞれの立場で綿密な調査を進める-。

 原作は、アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされたモハメドゥの手記「モーリタニアン黒塗りの記録」(河出文庫)。世界20カ国で刊行され、注目を集めている。

 米国がアルカイダ幹部やテロリストを収容するために設けたグアンタナモ収容所。09年にオバマ政権が閉鎖を表明したが、現在も実現には至っていない。

 10月29日、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。