2021.08.25 シャープが住宅用太陽電池モジュール高効率・高出力化、屋根に美しく調和する外観
「BLACKSOLAR ZERO」
シャープは、2050年のカーボンニュートラル(カーボン ZERO)に向け、住宅分野でも再生可能エネルギー導入加速が重要な取り組みとなる中、住宅用太陽電池モジュールのフラッグシップモデル「BLACKSOLAR」の後継シリーズとなる「BLACKSOLAR ZERO」シリーズを10月中旬から発売する。黒一色の屋根と調和したデザインの実現、さらなる高効率化、高出力化で環境性能を高め、市場ニーズに応える。
地球温暖化対策の観点から、温室効果ガス削減が急務となり、日本では2050年カーボンニュートラルを宣言、脱炭素社会の実現を目指している。
実現に向けて大きな柱の一つとなるのは、再生可能エネルギーの導入拡大。住宅・建築物の省エネ対策としても、太陽光発電システムやZEH(ネット・ゼロ・エネルギー住宅)の普及拡大が必要となっている。
国の有識者会議(国交省 脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会)でも、30年に新築戸建て住宅の6割で太陽光発電設備の導入が目指されている。
シャープSmart Appliances& Solutions事業本部エネルギーマネジメント事業統轄部の安沢修PV機器商品企画部長は「太陽光発電を美観上搭載したくない人もいるが、こうした外観を重視する住宅はもとより、狭小屋根をはじめ、さまざまな屋根に、今後より多くの太陽電池を搭載していく必要がある」と話す。
新製品は、高効率単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」の効率・出力性能をさらに高めたほか、屋根との調和を図った黒一色のデザイン性が大きな特長で、さまざまな住宅への搭載を広げる商材として訴求を強めていく。
新製品「BLACKSOLAR ZERO」
「BLACKSOLAR ZERO」シリーズは、4機種をそろえる。NQ-254BM(42直・出力254W=税込み15万2400円)/NQ-180BM(30直・同180W=同11万7000円)/NQ-130LM・同130RM(22直・同130W=同8万7100円)の4機種で、大小の長方形型と左右のコーナー型を自在に組み合わせて、屋根形状に合わせ最適な容量を設置できる。
新シリーズは、一体感のある黒色で統一することにより、屋根に美しく調和するデザインを実現する。
全4機種でモジュール部品も黒色化した。屋根に設置した際に隣り合うモジュール同士のつなぎ目が目立たず、同社従来機に比べ一体感が向上し、屋根に美しく調和する。
サイズ・形状が異なる4機種を組み合わせる「ルーフィット設計」で、さまざまな屋根形状に合わせて効率よく設置することができるので、発電容量の最大化を図れる。
4機種全てに太陽電池セルを正方形の半分のサイズにする「ハーフセル技術」の採用などにより、セル実効変換効率を向上させた。
太陽電池モジュールの大型化と併せて、同社の従来機比(NQ-225AG)でセル実効変換効率は0.2%向上、モジュール出力を約13%アップ(NQ-254BM)させている。
太陽電池モジュールの温度上昇時に生じる変換効率の低下を同社従来機比で約8%改善した。夏場を中心に起こりやすい発電量の低下を抑制している。総合的な商品力の向上で、今後住宅に求められる再生可能エネルギー導入の拡大に貢献していく。
従来機種同様に、安心の手厚い「BLACKSOLARプレミアム保証」(モジュール機器+出力=20年保証/システム構成機器=15年保証)が付く。
「21年度国内の需要(住宅用太陽電池)は1GW程度を見込んでいるが、30年に向け市場は拡大が加速するとみられる。市場を見ながら需要に応えていきたい」(安沢部長)と話す。