2021.09.02 【コネクター技術/インバーター関連部品技術特集】コネクター技術の高度化進む

車載用高電圧コネクター

ねじ端子型アルミ電解コンデンサーねじ端子型アルミ電解コンデンサー

 電子機器・装置の小型・高機能・高性能化に伴い、コネクター技術の高度化が進んでいる。車載では、自動運転やxEVなどのCASE領域向けの技術開発が活発。モバイル機器向けは、第5世代移動通信規格5Gスマートフォンやウエアラブル端末向けの超小型・高性能品開発が進む。産機/インフラ用は、高速伝送や大電流/高耐圧対応製品の拡充が進展している。また、環境・省エネ要求の高まりを背景に、各種インバーターの小型・高効率化を支える電子部品・デバイスの技術開発も活発化している。

コネクター技術

 車載用コネクターは、自動車のADAS/自動運転技術の高度化や電動化に照準を合わせた新製品開発が進んでいる。

 ADAS/自動運転関連では、車載カメラ用やミリ波レーダー用、LiDAR用などの安全系コネクターの開発が活発。車載カメラ用は、従来のパーキングアシストカメラ用に加え車載デジタルセンシングカメラ向けの技術開発が活発で、1メガ/2メガピクセルなどの高画素カメラで撮影した画像を瞬時に確実に伝送できる高速伝送対応製品の開発に力が注がれる。高速伝送ニーズに対応し、車載イーサネットコネクタの製品化も進んでいる。

 xEV用は、車載インバーターや車載モーター、バッテリー周りに使用される大電流/高耐圧製品の開発が活発。エンジンルーム周辺などでの使用用途向けでは、125/150度対応などの高耐熱FPCコネクターも開発されている。

 スマホやウエアラブル機器などの高機能モバイル端末向けでは、5G化が促進するスマホの高機能化に伴う機器内部の高密度実装化を背景に、内部接続用コネクターの一層の狭ピッチ・薄型・省スペース化が進んでいる。基板対基板コネクターは、0.4/0.35ミリピッチの超ファインピッチ品の拡充が進展し、0.3ミリピッチ品も一部、量産化されている。

 産業機器/製造装置や産業用ロボットなどに使用される産機用コネクターは、小型・軽量かつ高品質・高信頼性の産業用防水コネクターや高速コネクションの開発に力が注がれる。

 テレコム/データコム関連では、5G通信インフラや次世代ストレージ向けに、112ギガbpsや56ギガbpsなどの超高速伝送対応製品の開発が進んでいる。

インバーター関連部品技術

 インバーターは、省エネ化ニーズの高まりを背景に、用途が拡大している。従来の製造装置や空調システムに加え、EV/HEVでの需要も増加し、さらに、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー機器での需要も広がっており、インバーター回路を構成するパワーデバイスや回路部品などの技術開発が活発となっている。

 抵抗器は、インバーターの高効率化に寄与する電流検出用途向けのシャント抵抗器の小型・高性能化が進んでいる。インバーター回路では容量負荷や誘導負荷が多数存在し、回路内でサージやパルスが発生するが、こうした用途向けにサージ・パルス負荷への耐性を高めた製品も開発されている。

 コンデンサーは、平滑コンデンサーとしてアルミ電解コンデンサーが多用され、小型かつ大容量で高リプル、低ESRといった特性が追求されている。

 インバーターのキーデバイスのパワーデバイスは、シリコンベースのMOSFET、IGBTが定格電圧、定格電流などにより、用途に最適化する形で供給されている。さらに、従来のシリコン半導体に比べ、大幅な電力損失低減につながるSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)を使用したスイッチングデバイスの開発も加速している。現在は、汎用インバーターからエアコン用インバーター、さらにxEV用インバーターまで、SiC-IGBTなどの最新デバイスの利用が本格化している。