2021.09.14 【コンデンサー特集】ニチコン小型リチウムイオン二次電池

小型リチウムイオン二次電池「SLBシリーズ」

φ3.3、φ4品を追加

 ニチコンは、高度化する自動車電装分野で小型・高容量、低温ESR特性、高温度対応製品をラインアップ。IoT市場向けは長寿命、微弱電流充電、安全性などを切り口に提案を進めている。

 チップアルミ電解コンデンサーは、車載のエンジンや駆動系周辺ECUなどエンジンルーム付近への搭載による超高温度に対応し、業界最高150度2000時間保証「UBHシリーズ」を市場投入。現行品では対応できない高温度環境下でのさまざまなアプリケーションへの使用を可能にした。9月には、5G基地局向けの長寿命要求に対応する高温度長寿命125度5000時間保証「UYAシリーズ」を市場投入した。

 導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーは、車載および情報通信分野などで要求が高まっている高リプル電流、低ESR性能に優れた125度4000時間保証「GYEシリーズ」を市場投入した。現行「GYAシリーズ」と同一サイズで高容量化を実現。許容リプル電流も20%以上向上させ、コンデンサー員数削減によるユニットの小型・軽量化など回路設計の最適化に貢献できる。

 エネルギー密度とパワー密度を両立した小型リチウムイオン二次電池「SLBシリーズ」は、新たにφ3.3品、φ4サイズ品を追加した。同シリーズは、優れた急速充放電性能、低温特性、安全性と長寿命を兼ね備えIoTやウエアラブル機器に適している。最大20Cでの急速充放電性能、10Cレートで2万5000回以上の充放電可能な耐久性と、マイナス30度でも充電可能な低温特性を有し、0.01Cの低レートでも充電できる。破裂・発火の危険性が極めて低く、製品容量を増やすことで、より幅広い用途での使用が可能。

 基板自立形アルミ電解コンデンサーは、サーバーやスイッチング電源分野などの小型化・省スペース化に応えた業界最高レベルの105度5000時間保証「LGCシリーズ」を開発した。現行の105度5000時間保証「LGXシリーズ」より最大33%小型化した。業界最高レベルの高温度対応となる125度3000時間保証「LHTシリーズ」も開発した。過酷な条件下での設置が増えている情報通信機器や環境・再生可能エネルギー分野に対応できる。

 フィルムコンデンサーは、EVなどの電動車の主機モーター駆動インバーター平滑用の「EMシリーズ」の搭載車種が増えている。多くの車種への採用ノウハウを生かし、車種ごとに最適なカスタムを提案することが可能。

 電気二重層コンデンサーは、スマートメーターのバックアップ電源などで要求される高温度対応、高耐久性に対応するため、業界最高レベルの85度1000時間(2.5V)保証「JUHシリーズ」を開発した。ドライブレコーダーへの搭載や、衝撃感知式ドアロック解除システムなどの車載向けバックアップ電源用に、現行品比で抵抗4分の1以下、耐久性2倍2000時間の「JUAシリーズ」を市場投入した。