2021.09.21 【デジカメ特集】市場拡大に期待、平均単価も伸長

初心者からプロ向けまで多彩な製品が出そろったカメラコーナー

ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX 50SⅡ」ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX 50SⅡ」

 世界で圧倒的なシェアを誇る日本製品の代表格であるデジタルカメラが、今年は好調で7月までの累計出荷数量は494万4180台で前年同期比118.6%。出荷額は2747億2526万円で同152.6%と大幅に伸びた。ミラーレスの出荷額も同192.9%と絶好調で市場をけん引している。

 東京五輪取材のプロ写真家が使ったカメラは、ほぼ100%が日本メーカーの一眼レフデジカメ旗艦モデルが占めた。キヤノンによれば11月発売予定のミラーレス最高峰モデルの「EOS R3」も高評価で、「プロスポーツフォトグラファーのミラーレス率は高まる」と期待している。

 グラフ1は2019年1月から21年7月までのカメラ出荷数量推移、グラフ2は同出荷額推移。新製品が出そろう秋から年末への伸長が期待される。

 グラフ3はミラーレス、一眼レフ、コンパクトデジカメの平均出荷単価。ミラーレスは登場時の単価に届く勢いで上昇している。

 当然、交換レンズも好調に推移している。今年7月までの出荷は548万2292本で同128.3%、出荷額は1828億9570万円で同153.5%と大きく伸長している。

富士フイルムの主力製品
ミラーレスカメラ「GFX 50SⅡ」小型軽量、手ブレ補正機構搭載

 デジカメ市場をけん引するミラーレスカメラも、魅力ある新製品が秋から年末かけて投入される。35㎜判の約1.7倍のラージフォーマットセンサー搭載「GFXシリーズ」、APS-Cサイズセンサー搭載の「Xシリーズ」の両輪でミラーレスカメラを展開する富士フイルムの新製品を紹介する。

 超高画質撮影の楽しみを広げる新製品「GFX 50SⅡ」

 同社は、2月に世界最高約1億200万画素センサー搭載のコンパクトボディー「GFX100S」を発売し販売好調だが、ラージフォーマットセンサーによる撮影をさらに身近にする製品「GFX 50SⅡ」を今月29日に発売する。新製品は質量約900グラムの小型軽量ボディーに、約5140万画素センサーや5軸・最大6.5段のボディー内手ブレ補正機構を採用し、圧倒的な機動力を発揮。超高画質な写真を手持ちで快適に撮影できる。

 また、80年以上にわたって培った独自の色再現を楽しめる「フィルムシミュレーション」を19種搭載。4倍の解像力と忠実な色再現による撮影を実現する「ピクセルシフトマルチショット」機能を備え、文化財のデジタルアーカイブの用途でも活用が期待される。

 「Xシリーズ」ミドルクラスの新製品「X-T30 Ⅱ」

 Xシリーズでは「X-T30 Ⅱ」を11月に発売する。新製品は従来モデルで好評の小型軽量ボディーはそのままに、ソフトウエアを刷新。同シリーズのフラッグシップモデル「X-T4」同等の高画質や高速・高精度AFを実現するミラーレスカメラ。162万ビットの背面液晶モニターを採用するなどハードウエアも進化させ、ハイクオリティーな静止画撮影と、4K30pの動画撮影も可能。

 多様なニーズに応えて進化を続ける交換レンズ

 GFXシリーズ用交換レンズとしては「GF35-70㎜F4.5-5.6 WR」を11月に発売する。質量約390グラムのコンパクト設計。GFX 50SⅡ発売時にレンズキットを先行投入する。

 Xシリーズ用交換レンズでは、大口径標準単焦点タイプ「XF33㎜F1.4 R LM WR」を今月29日に、大口径広角単焦点タイプ「XF23㎜F1.4 R LM WR」を11月に発売する。将来のイメージセンサーの高画素化を見据えた高解像性能を有しており、圧倒的な描写力を実現している。

 同社は、交換レンズの最新の開発ロードマップも公開した。今後も、GFX・Xマウントシステムを進化させることで、より多くの写真愛好家に撮影する喜びを提供していく方針だ。