2021.09.24 コロナ禍でも着実に生産を拡大東南アジア進出の日系電子部品メーカー工場

イリソ電子工業のフィリピン工場

 新型コロナウイルス感染症の拡大が深刻なASEAN(東南アジア)地域。2021年の夏場以降も多くの国で政府によるロックダウンが実施されている。ASEANには多くの日系電子部品メーカーが工場進出しており、現地でのロックダウンなどによる生産活動の停滞は、世界全体のエレクトロニクス産業や自動車産業に大きな影響を及ぼしている。そうした中で、現地の日系電子部品メーカー工場では、十分な感染対策を講じながら、BCP(事業継続計画)を考慮した着実な生産活動を実施することで、今年に入り、大きく生産規模を拡大している工場が少なくない。

 コネクター専門メーカーのイリソ電子工業のフィリピン工場(マニラ近郊)は、車載カメラ用コネクターなどの自動車関連部品を主力に、今年に入って大きく生産規模を広げている。同工場の生産高は、21年度は前年同期比2割増以上のペースで増加しており、通期では過去最高を更新する見通し。

 同工場では、ロボットによる自動生産ラインで車載用インサートコネクターを生産。設計技術者の養成や、CAD/CAM一貫生産体制の確立にも力を入れている。また、新型コロナ感染拡大に備えたBCP対応の一環として、従業員を厚めに確保するよう取り組むことで、万が一、工場でクラスターや多くの濃厚接触者が発生したりした際にも、リカバリーできる体制を整えている。
(27日付電波新聞・電波新聞デジタルに詳細を掲載します)