2021.09.29 【ASEAN特集】ニチコンニチコン マレーシア

久保 代表取締役

ニチコン マレーシアニチコン マレーシア

アルミ電解コンの設備投資計画、22年度に増産

 ニチコンは、ASEAN、欧米、中国、台湾、日本の旺盛なアルミ電解コンデンサー需要に応え、「ニチコン マレーシア」(セランゴール州バンギ工業団地)に2021年度10億円、22年度12億円強の設備投資を計画。アルミ電解コンデンサーの生産能力を22年度に19年度比1.2倍に増やす。

 18年度にニチコン マレーシアで過去最高となる15億円の設備投資を行い、アルミ電解コンデンサーの生産能力を19年度に17年度比1.3倍に増強したのに次ぐ大型設備投資による生産能力増強だ。

 久保範晃代表取締役工場長は「生産の自動化、省人化、生産性向上と併せて生産能力を大幅に増やし、アルミ電解コンデンサーの需要にしっかり応えていく。新型コロナ感染拡大の影響で20年度上期は思うように工場を稼働できなかったが、ようやくフル稼働できる状況になってきた。受注も20年度末から回復し、足元は好調だ。21年度はピークの18年度並みにまで受注が増え、22年度にはある程度の増産では対応しきれない需要があると見て万全の体制で臨む」と説明する。

 今回の設備投資では、需要が増大するエアコン、EV用オンボードチャージャー向けの30φ、35φ基板自立形、車載向け10φチップ形を中心に20~35φの基板自立形、4~10φのチップ形、5~18φのリード線形の生産能力増強を図る。ピークの17年度に1530人いた従業員は、コロナ禍で外国人の就労が難しいことから現在1159人だが、ピーク時の生産量をこなす。

 巻き取りから外観検査・梱包までコンベヤーで連結させ、一貫自動生産している基板自立形アルミ電解コンデンサーに代表される自動化、省人化、生産性向上、中間仕掛品の最小化を加速。設備メンテ、品質管理体制の強化を図る。

 久保代表取締役は「今年3月に設立30周年を迎えたグループ最古参の海外工場として、幹部・管理職の現地化、女性の登用など、海外モデル工場としての役割も率先して果たしていく」と力を込める。