2021.09.29 【ASEAN特集】カナデンカナデン(タイ)

峯村 社長

タイ3拠点を連携し事業拡大へ

 カナデンはFAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4分野で事業を展開する「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」だ。

 海外拠点を増強し、香港、シンガポール、中国、タイ、ベトナムに現地法人を構え、FA機器をはじめシステム販売によるソリューションビジネスを強化している。

 タイでは営業拠点のカナデン(タイ)、自動化システムの合弁企業FACOM-KD(タイ)の2社に加えて、2020年7月、調達や新規商材を発掘する現地法人カナデントレーディング(タイ)を設立した。

 日系企業を中心に、3拠点やベトナムの現地法人とも連携し、事業の拡大に取り組んでいる。

 カナデントレーディング(タイ)の代表も務めるカナデン(タイ)の峯村潤社長は「タイもコロナ禍にあるが、当社の事業は順調に推移している。半導体や電子部品不足の懸念はあるものの、付加価値の高いソリューションビジネスで伸ばしたい」と話す。

 同社は制御系、ロボット、IT、環境の4ソリューションを重点的に推進。制御系は、顧客の既存設備のリニューアルなどに合わせて、シーケンサーなど最先端の三菱電機製FA機器・コンポーネントを提案する。

 ロボットはオフィスエフエイ・コム(栃木県小山市)と共同開発した可搬型ロボットシステム「KaRy(キャリー)」を中心とするソリューションを、ITはリモート時代を見据えたシステムを提案。環境は新冷媒を採用したエアコンやコンプレッサーなどによる省エネを訴求する。

 峯村社長は「タイでは既に更新時期を迎えている工場設備や空調設備などが多い。省人化、省エネなどの観点からソリューションを提供し、需要を喚起したい」と述べ、トータルソリューションビジネスに期待をかける。KaRyは、ロボット導入時のトレーニングや大学の教材としての売り込みにも取り組んでいる。

 峯村社長は、タイの成長性について「タイ政府は、次世代自動車、スマートエレクトロニクスなど重点産業を定めて、今後20年間で先進国入りを果たす長期ビジョンを推進している。一方で人件費の高騰や人口減の傾向も顕著で、省人化や自動化の要求が高まる。FACOM-KDの高いエンジニアリング力が発揮できるチャンスも広がる」と見る。