2021.10.05 再エネ最優先、「路線を踏襲」山口環境相が就任後初会見

オンラインでも配信された山口環境相の会見

 4日に発足した岸田文雄内閣で、新たに就任した山口壮環境相が5日、会見した。脱炭素に向けて再生可能エネルギーを最優先させた小泉進次郎前環境相の路線について問われ、「行政にとって一番大事なことは継続だ。路線は踏襲する」と明言した。50年カーボンニュートラルなどの目標に言及し、「きっちりした話が積み重なっている。大事にしていく」と述べた。

 これまで閣僚は内閣発足直後に慣例的に首相官邸で会見してきた。だが、岸田内閣ではとりやめたため、5日の閣議後会見が山口環境相の就任後初めての会見となった。先立って実施されてきた自民党総裁選では、エネルギー問題も争点の一つとして浮上。菅義偉前首相らが加速させた脱炭素への取り組みへのスタンスなどが注視された。

 この日は、環境省で会見が開かれた。山口環境相は、岸田首相から脱炭素の推進、福島復興の加速化などについて指示を受けたことを明らかにした。山口環境相は「企業、金融、地域をどういう風にコラボしていくかだ。再エネを最大限導入していくかが一番のポイント。そこを後押ししていくのが、環境省の役割だ」と語った。

 ただ、日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)が疑問を呈するなどの動きも表面化している。山口環境相は、「産業界の意見もしっかり聞きながら、イノベーションを頭に置く。どうしたら具体的にできるのか、両輪としてしっかり耳を傾けたい」とも述べた。

 一方、小泉前環境相が慎重だった原子力については、「できるだけ低減させていくゴールはある。今までのラインははずさない。いろいろな意見を聞いていく」と述べた。