2021.10.07 NEC、電力の需給調整市場に参入再エネ利用拡大を後押し

分散したエネルギー資源を遠隔で一元管理している様子(提供=NEC)

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電量は天候に大きく左右されるため、需給調整が必要だ。NECは7日、必要な調整力を取引する電力の需給調整市場に参入したと発表した。再エネ利用拡大の鍵を握る同市場の開拓を通じて、脱炭素社会の実現を後押ししたい考えだ。

 全国各地に分散する太陽光発電や蓄電池などの設備を人工知能(AI)やIoTを駆使して統合制御し、あたかも一つの発電所のように機能させる仕組みは、「仮想発電所(バーチャル・パワー・プラント=VPP)」と呼ばれる。同社はその技術を生かして、分散型電源の取りまとめを担う「リソースアグリゲーター」として名乗りを上げた。

 再エネの導入拡大を背景に電力需給の調整力を取引する需給調整市場が、4月に開設された。同社は市場のコーディネーター役を担う東京電力系の事業者を通じ、調整力を送配電事業者へ提供して対価を得る。10月中の応札を視野に入れているという。2025年度までに売上高で120億円の達成を目指す。
(詳細は電波新聞・情報通信面、電波新聞デジタルに18日に掲載します。)