2021.10.07 「手袋」まで手を広げる…パナソニック電球のフィラメント製造で培った技術生かす
パナソニックがタングステン耐切創手袋発売。丈夫で柔らかく、使いやすいのが大きな特長
パナソニックが、「手袋」にも参入―? 家電・住宅分野における暮らし領域から産業分野のB2B事業に至るまで、最先端技術をベースに幅広い事業を手掛ける同社が「手袋」にまで手を広げるとは、驚く人も多そうだ。
高度な先端技術を駆使して製品を開発する同社が、なぜ手袋か? 実は、10月21日から同社直販サイト「Panasonic Store Plus」から発売するのは、「タングステン耐切創手袋」で、「軍手」のような普通の手袋とは異なり、カッターナイフなどで切り付けても自分の手が傷つかない高度な技術に裏打ちされた丈夫な「耐切創手袋」だ。
同社は1918年の創業間もない1936年に「白熱電球」第1号を投入、以後長年にわたり照明(光源)事業で蓄積された高度な技術を、耐切創手袋に応用展開した。
白熱電球のフィラメントやコイルの製造で培った❝タングステン細線化❞技術が生かされている。線径20マイクロメートルまで細線化し、耐切創性と快適な使い心地(作業性)を両立させている。
編み込まれる線が太いほどゴワゴワした感触となるが、線が細いため、丈夫で柔らかく、さまざまな作業がやりやすくなる。線に用いられる希少金属のタングステンは、ダイヤモンドの次に硬く、金属の中で最も融点が高い。
そのため耐熱性や高温下の使用にも優位性がある。また弾性率は一般的に鉄系材料の約2倍大きく、同じ応力の下では変形が小さくなる特長を持っている。すなわち「丈夫でしなやか」だ。
耐切創性については、欧州規格(EN388:2016〈ISO13997〉基準)におけるE~Fレベルと最も強いレベルで評価されている。
合わせて、低発じん性の長繊維を用い、欧州規格耐摩耗性レベル4をクリアし、最高レベルでの評価となった。
丈夫なタングステン繊維を使いながら、柔軟性があり指が曲げやすいのも大きな特長だ。13ゲージ編み(1インチに13の網目)と細かく、20マイクロメートルの細径金属線の柔軟性により作業性が向上する。
また水洗いもでき、乾きやすく、清潔に何度でも使える。価格は手のひらゴムコートなし(S/M/L/LLサイズ)が税込み1821円、手のひらゴムコートあり(S/M/L/LLサイズ)が同2000円。
労働安全基準が厳格化される中、工事や製造現場でのプロユースはもとより、一般家庭でも災害時の備え、日常のガーデニング・DIY、アウトドアレジャーなど、幅広く使える。