2021.10.13 日本CATV技術協会、技術者の育成強化 eラーニング、CBT導入など11月から新技術者資格制度開始
1年以上の実務経験が不要に 幅広く人材の裾野を拡大
日本CATV技術協会は、ケーブルテレビ(CATV)に関する専門的かつ実践的な技術・知識を有するCATV技術者の人材育成を強化する。
昨今、CATV事業を取り巻く環境は、デジタル化や放送・通信の融合に始まり、4K8K放送など、高度化していく放送技術や多様化するサービスなどの幅広い知識を必要としている。そのために、CATVに関する幅広い基礎知識を持つ技術者のニーズは高まっている。
同協会は、技術的能力が一定のレベルに達していると認定した人に付与する資格制度を1975年に開始し、以来46年間にわたりこの資格制度を通じてCATVに関わる人々の技術力の維持向上に努めてきた。
これまでCATV技術者資格の受講受験実施場所は全国8都市に限定されており、受講受験者には実施場所までの移動や講習試験のために最大5日半業務を休むなどの負担があった。さらに、自然災害や新型コロナ感染症による受講受験の機会喪失リスクへの対応も課題になっている。
受験機会より多く
こうした背景により、時間と場所による制約をできるだけ無くすことで受講受験の機会をより多く提供し、資格取得者の技術力の向上や受験科目とコストの負担軽減を目的として、eラーニングやCBT(コンピューター・ベースド・テスティング)を導入。カリキュラムの見直しや科目の整理統合などを行い、11月から新しいCATV技術者資格制度を開始する。
新たな資格制度は、いつでもどこでも自分のペースで学習が可能で、CATVに関する専門的技術と正しい知識をはじめ、CATV設備の工事に必要とされる技術や知識、CATV設備の安全性と信頼性に関する知識などを習得できる。そのため、高品質の工事やメンテナンスを実現。また、CATV関連機器や設備の技術に関する知識が習得でき、高品質・高性能な製品の実現を目指している。
資格の種類はCATV総合監理技術者、第1級CATV技術者、第2級CATV技術者の3資格。受験科目は、システム、調査・施工、ブロードバンド、CATVの基礎となる。資格試験(CBT)を受験するためには、講習(eラーニング)を必ず受講する必要がある。
今回大きな特長のひとつとして、今まで必要であった1年以上の実務経験の要件が不要となったこと。そのため、業界外の誰でも挑戦できるようになった。同協会はより幅広く人材の裾野を拡大し、専門的技術や正しい知識を身にづけ、将来のCATV業界の発展につなげる考えだ。
本年度のCATV総合監理技術者と第1級CATV技術者の申し込み期間は11月1日~15日、受講期間は2021年12月1日~22年2月15日、試験実施期間は22年1月11日~2月21日を予定。第2級CATV技術者は来年6月以降(4月に公表)を予定している。