2021.10.29 「大気は有限、宇宙で実感」宇宙飛行士の星出彰彦さん ISSから会見
会見する星出さん(画面)=JAXA東京事務所で
「環境問題でいうと、窓から地球を見ると、地上にいるときは無限に思える大気も、宇宙から見ると有限。大気は地球という限られたところにしかない。地球から一歩外に出ると真空の宇宙だということが目で見てわかり、実感として感じる」。
日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんが28日夜、国際宇宙ステーション(ISS)で記者会見し、電波新聞などの質問に答えた。地球への帰還を前にしたもので、温暖化防止をはじめとした環境問題や、それに向けての技術開発について、「船内に目を移すと、空気や水を循環させる技術の検証もしている。これは将来、月や火星で必要になるものだし、地上にも還元できるのではないかと思う」と展望した。
先端技術の粋を集めたISSでのDXについても、「デジタル化でいうと、以前と比べ変わってきていて、地上の技術発達の恩恵を受けている。手順書やスケジュールを見るのも以前はラップトップだったのが、タブレットでもできる。ネットワーク環境もアップグレードしている。地上と同様に、より活用できるインフラが構築されている」と語った。
民間の宇宙開発の動きなどについても、「歓迎すべきことで、新しい文化をつくってほしい」と期待を述べた。星出さんは4月からISSに長期滞在。日本人として2人目となる船長を務めたほか、通算4回目の船外活動も手掛けた。約半年の滞在を終えて来月5日に帰還予定となっている。
(11月5日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報予定です。)