2021.10.29 三井化学と九州大が包括連携カーボンニュートラル研究センター設置
連携協定書を交わした三井化学の橋本修社長(右)と、九州大学の石橋達朗総長(28日、福岡市西区の九州大学)
三井化学は28日、九州大学(福岡市西区)と組織対応型連携契約を結び、カーボンニュートラルに資する環境基盤技術の開発と実用化、事業化の推進を共同で行う。同大の「カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所」内に「三井化学カーボンニュートラル研究センター」を設けた。
研究は主に、グリーン水素を製造・利用するための要素技術開発▽工場の排ガスや大気中のCO₂の高効率分離技術の開発▽回収したCO₂を資源化し、化学品を製造するための変換、固定化▽高度の化学分析と、研究テーマが脱炭素エネルギー社会への転換に与える影響を評価―の4領域。2031年3月末までの10年間に約20億円を投じる。
同社は既存事業の構造転換やグリーンマテリアルによる事業転換を掲げる中、自社の温室効果ガス(GHG)の排出削減と同社グループ製品のライフサイクル全体を通じたGHG削減貢献量の最大化の両輪で取り組み、顧客とともにGHG削減や循環経済の実現に貢献したいとしている。
締結式で同社の橋本修代表取締役社長は「(福岡にある)弊社の大牟田工場が石炭化学の源流である私どもにとって、九州大と組織的連携ができることを喜ばしく感じている。開発から社会実装まで長期的に取り組みたい」と述べた。