2021.11.02 「ナノイー」は未知のウイルスも抑える?パナソニックが新型コロナと変異株4種の抑制効果検証

実際の試験風景

 パナソニックは、日本繊維製品品質技術センターと共同で、「帯電微粒子水(ナノイー)」技術の新型コロナウイルスとその変異株4種(アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株)に対する抑制効果を検証した。

 検証は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、および新型コロナウイルスの懸念される変異株4種を対象に、帯電微粒子水の暴露有無によるウイルス感染価の比較実験を45リットルの試験空間で実施した。

 その結果、5種全てのウイルスで、2時間の暴露で99%以上の抑制効果を確認した。

 現在、猛威を振るっている新型コロナウイルスは、世界保健機関(WHO)が、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株の4種を「懸念される変異株」に指定している。

 同社は、2020年7月に「帯電微粒子水」技術の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抑制効果を大阪府立大学と共同で実証した。

 また、21年1月にウイルスクリアランス試験を実施した結果、生物学的特性で四つ(遺伝子型がDNAかRNAか、およびエンベロープの有無)に分類したそれぞれで抑制効果が確認できていることから、未知のウイルスに対しても帯電微粒子水技術の抑制効果が期待できると発表している。

 今回は、新型コロナウイルス変異株が世界で流行していることに鑑み、改めて帯電微粒子水技術による効果の検証を行ったという。

 「今回の検証は密閉した試験空間での結果であり、実使用空間における効果を検証したわけではないが、帯電微粒子水技術の可能性を追求し、今後さまざまな効果を検証していきたい」(くらし事業本部くらしアプライアンス社くらしプロダクトイノベーション本部コアテクノロジー開発センター機能デバイス開発部・須田洋部長)と話す。
(11月3日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します。)