2021.11.09 【換気の日特集】コロナ禍で換気に関心高まる
11月9日は「換気の日」。「いいくうき」とかけたもので、日本電機工業会(JEMA)が換気にまつわる正しい知識や重要性、定期点検の必要性などの情報を発信している。新型コロナ下2年目となり、感染症対策としての換気の重要性は浸透しつつある。換気扇もコロナに応じて進化してきた。住宅、非住宅分野ともに換気需要はしばらく続きそうだ。
JEMAの統計によると、2020年度の住宅用換気扇の国内出荷台数は前期比1.4%減の625万4000台と、わずかに前の年を下回った。新築住宅の着工件数にも左右されるので、コロナ禍で関心が高まったからといって、住宅用の需要に直結したとも言い難い。密を避けるため、一時的に住宅着工が鈍化した影響もある。
ただ、住宅着工やリフォーム需要などの復調に加え、換気に対する関心はさらに高まっている。社会環境の変化が換気扇需要にも表面化してきており、今年度上期(4~9月)の国内出荷台数は、前年同期比3.2%増の302万7000台と堅調なペースで伸びている。出荷金額は637億4300万円と前年から8%伸長した。
コロナ禍を意識し、ウイルス抑制機能などを搭載した製品が登場しているほか、常時換気で気になる省エネ性を強化した製品など、付加価値の高い機種へのシフトが進みつつあるようだ。
商業施設や飲食店、ホテルなどでも、コロナ禍を受けて換気設備の設置が相次いでいる。
二酸化炭素(CO₂)センサーを搭載し人数に応じて換気量を自動調整する機種やIoT連携する機種など、システム化して空間全体を効率よく換気する提案が活発になっている。これからのライフスタイルでは感染症の拡大を抑える換気設備の設置がますます重視される。
抗菌素材の採用やウイルスを捕集するフィルターの搭載など、換気だけにとどまらない機能提案も選択肢として必要になる。