2021.11.09 政府が「デジタル臨調」設置民間巻き込み規制・行政改革と一体的議論

記者会見に臨む牧島デジタル相=9日、東京都千代田区

 政府は、デジタル改革と規制・行政改革を一体的に進めるため、「デジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)」を9日付で設置した。牧島かれんデジタル相が同日の記者会見で、発表した。民間の有識者を巻き込んで議論を重ね、来春に第1弾の方向性を取りまとめる方針だ。

 デジタル臨調の構想は岸田文雄首相が自民党総裁選で掲げていた。急速なデジタル化の進展がもたらす構造変化を踏まえて、三つの改革を横断する課題を洗い出し、経済や社会のデジタル化の促進に必要な規制や基盤のあり方について検討。さらに、医療や教育、モビリティー(移動手段)などの「準公共分野」をめぐる制度やシステムも見直す。来週にも初会合を開く。

 会長は首相が務め、副会長をデジタル相と官房長官が担う。総務相などの関係閣僚も構成員として参加。有識者としては、経団連会長で住友化学会長の十倉雅和氏、KADOKAWAの夏野剛社長、ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長ら8人が名を連ねた。

 牧島デジタル相は、岸田政権が掲げる「デジタル田園都市国家構想」とデジタル臨調の関係性について触れ、デジタル臨調で整えた「基盤の上でそれぞれの地域の活性化につながるデジタル田園都市国家構想などもつくり上げていく」と強調。有識者の議論に関しては、「改革をすることで新たな価値を創造する成長戦略をつくり上げていくという観点での議論を期待したい」と述べた。
(詳細は11日付の電波新聞、電波新聞デジタルに掲載します。)