2021.11.19 【はんだ総合特集】日本アルミットブーストアップ アルミットスタンダード

「ブーストアップ アルミットスタンダード」はんだ新製品「DB1-RMAとQB1」

新製品中心に訴求、産業機器メーカーの採用が拡大

 日本アルミットは、同社製品の新たな「スタンダード」に位置付けて市場に提供する新開発コンセプト「ブーストアップ アルミットスタンダード」のはんだ新製品を中心に、特徴ある製品ではんだ事業を拡大している。

 ブーストアップ アルミットスタンダードの第1弾として、新開発の「デュアルブースト」技術を採用したスルーホールはんだ付け用やに入り糸はんだ「DB1-RMA LFM-48」(フラックス名+合金名)を市場に投入した。

 引き続き第2弾として、フラックスの活性力を瞬時に活性ピークまで導き出す即効性を実現した新開発の「クイックブースト」技術採用のやに入りはんだ「QB-1 LFM-48M」(同)を発売した。

 DB1-RMA LFM-48のデュアルブースト技術は「速効性」と「遅効性」の2種の活性成分を組み合わせ、2段階で濡れを促進させる新技術で、新活性剤の開発によりJIS-AA級の少ないハロゲン含有量で2段階の活性を生み出すことを可能にした。ブースト1で速効性活性剤が働き、初期ぬれを促進。ブースト2でスルーホールのぬれ上がりを促進し、抗ブリッジ効果をもたらす。この技術により、熱容量の大きい基板やリフロー後の酸化した基板のスルーホールへのはんだ付け性が大幅に改善し、同時にはんだ付け時間の短縮にも成功にした。

 第2弾のQB-1 LFM-48Mは素早くはんだがぬれ広がるため、手作業・自動機を問わず作業時間の短縮が可能となる。従来のはんだではぬれ始めが遅いために、こて先にフラックスが爆発を起こすはんだだまりの現象が見られたが、「QB-1」はクイックブースト技術によりはんだだまりができにくく、このようなフラックス飛散やはんだボールの発生が少ない。

 はんだ製品に対する顧客の要求は、基本的な接合品質に加えてはんだ付時間の短縮による生産性の向上が多く、その結果がコスト低減に結び付く。新製品はこうした顧客に要求に応えたことから評価が高く、従来の新製品以上に出足は順調。顧客の中には、多ピンのスルーホールはんだ付け作業で時間が半分になった事例や、新製品によって新たな取引が始まった顧客もある。

 DB1-RMA、QB1ともに産業機器メーカーを中心に採用が広がっている。

 EUの大手産業機器メーカーでの採用が決まり、EU圏への輸出も始めた。「スルーホールへの濡れ上がりに課題があって自動化が困難だった箇所にDB1-RMAを採用することにより、スムーズに自動化が可能となった」との評価を受けている。一部の車載部品メーカーでも既に試験を終え、採用に向けての準備が始まっており、同社は今後の販売拡大に期待を掛けている。