2021.11.23 シナネン、法人向けソーラーカーポート販売メンテナンスまでワンストップ対応

ソーラーカーポート

 企業向けを中心にエネルギーソリューションを提供するシナネン(東京都港区)は15日、ソーラーカーポートの新製品「おひさまCARルーフFor Business」を12月から販売すると発表した。設計から国の補助金手続き、設置工事まで、ワンストップで対応できるサービス体制を構築しており、国内では珍しいという。2025年度に約20億円規模の販売を目指す。

 オフィスや工場、事業所などに隣接する駐車場の屋根として太陽光発電設備を設置できる製品で、標準的な車両4台置きのサイズは幅約10×奥行き約5.3×高さ約3メートル。

 4台置きの駐車場には出力360Wのパネル30枚を設置、出力計10.8kWを想定する。数百台用の規模まで拡大可能。太陽光パネルは一部の工場では消防法などの規制対象だが、パネルに両面ガラスを利用して防火性を向上させ、導入可能な対策を講じた。

 個人向けに12年から販売を続けてきた旧製品は、これまでに1000基以上の導入実績がある。ほかにも、一般的な住宅用などの太陽光発電設備で3万件以上のメンテンナンスを請け負ってきたという。こうした実績を生かし、新製品は、全国どこでも、設計から、再生可能エネルギー普及を後押しする環境省の補助金申請手続き、10年間のアフターメンテナンスなどに一括して対応する。

 発電した電力は通常は事業所などで自家消費してもらうが、電力小売りを手掛けるシナネンが買い取って再エネ中心の電力プラン「シナネンでんき 環境配慮型メニュー」と組み合わせ、事業所などに一括して電力供給することで、使用電力全てを実質再エネ100%にすることもできる。

 新製品は、従来の個人向けからオフィスビルや工場など向けに拡大展開することにより、数年で約20億円の売り上げ規模への拡大を目指す。

 国は、太陽光発電の急激な拡大で、設置する適地の不足を指摘する。一方で同社環境エネルギー事業本部ファシリティーサポートチームの担当者は、ソーラーカーポートの引き合いが近年、強くなっているといい、「企業の大規模工場の屋根上にはかなり太陽光発電設備が普及してきた。次は駐車場にニーズが広がる。そこを狙いたい」と話している。

 シナネングループは灯油やプロパンガスの法人向け販売が主力だったが、国内で太陽光を中心とした再エネ事業などにも進出。14年に電力小売事業として法人向けの電力販売を始め、その後、家庭向けの電力小売事業に参入している。