2021.12.28 出光興産、中東からブルーアンモニアを運搬実証サプライチェーンの早期構築目指し

製油所にコンテナで搬入されたブルーアンモニア

四日市製油所。製油所などを低炭素・資源循環エネルギーのハブに転換することを目指している四日市製油所。製油所などを低炭素・資源循環エネルギーのハブに転換することを目指している

 石油元売り大手の出光興産は、アラブ首長国連邦(UAE)で製造された二酸化炭素(CO₂)フリーのアンモニアを、同社グループの四日市製油所(三重県四日市市)まで運搬したと発表した。天然ガスに由来し、生産時に排出されるCO₂を分離、回収して油ガス田に貯留した、いわゆる「ブルーアンモニア」で、同社としては初となる。

 UAEの国営石油会社が同国で生産したブルーアンモニアを出光興産が購入した。国際規格の認証を受け、繰り返し安全に使用できる専用コンテナを用いて、コンテナ船で運搬してきた。受け入れたアンモニアは、製油所などで化学用途として利用するという。

 グループでは、カーボンニュートラルの潮流を受けて、既存の製油所などを低炭素エネルギーの供給拠点に転換していく「CNXセンター構想」を掲げる。CO₂フリーアンモニアのサプライチェーンの早期構築も目指しており、実証試験と位置付けた。アンモニアを巡っては、総合重工業メーカーのIHIと、徳山事業所(山口県周南市)にある貯蔵施設などを転用できるかなどの検証を進めることも公表している。

 出光興産は「今後に備え、運搬上必要なオペレーション面を確認した。各地のブルーアンモニアなどを購入し、全国の製油所などに運ぶことを続ける」としている。