2022.01.13 【放送/機器総合特集】22年 年頭所感日本ケーブルテレビ連盟 渡辺克也理事長
渡辺 理事長
業界外へのPR活動を強化
関係団体などと連携
あけましておめでとうございます。旧年中はケーブルテレビ業界ならびに日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)への格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
おととしから続くコロナ禍で、〝移動しない〟〝接触しない〟「新たな日常」が浸透し、Society5.0やデジタルトランスフォーメーション関連の取り組みが一気に加速しました。政府も昨年9月にデジタル庁を発足し、本格的なデジタル化の推進を開始しました。ケーブルテレビ業界が今後も持続的な成長をしていくためには、社会構造の変化やデジタル化の流れに対応していくことが必要不可欠です。
これらを踏まえて、JCTAでは昨年6月に「2030ケーブルビジョン」を発表し、その中で、2030年に向けて業界が担うべきミッション、目指すべき姿、およびアクションプランを策定しました。
「地域DXで地域を豊かに、人々を笑顔に」をビジョンのミッションに掲げ、ミッションを実現するために取り組むべきテーマを、「放送」「コンテンツ」「ネットワーク」「ワイヤレス」「ID」「サービス・ビジネス」の6分野に整理しました。それぞれに、変革をしていくという意味から「変わる」という言葉を添えています。
目指すべき姿の六つのアプローチとして、一つ目の「放送が変わる」では「地域における情報メディア・プラットフォームになる」を、二つ目の「コンテンツが変わる」では「地域の魅力を創出するコンテンツプロデューサーになる」を、三つ目の「ネットワークが変わる」では「安全で信頼性の高い地域ナンバーワンネットワークを構築する」を、四つ目の「ワイヤレスが変わる」では「地域MNOとして第5のモバイルキャリアを目指す」を、五つ目の「IDで変わる」では「ケーブルIDで地域経済圏を構築する」を、最後の「サービス・ビジネスが変わる」では「地域DXの担い手になる」をそれぞれのスローガンとして掲げています。
これを基にアクションプランを策定し、新たな事業領域の創出と顧客創造を図っていきます。
30年に向けたアクションプランは、ケーブルテレビ業界共通の強みを最大限発揮することを念頭に策定しており、これを具現化していくためには「オールケーブル」の業界連携をもって取り組む必要があります。
しかし、事業規模や地域によって各社の状況が異なることも事実です。一番大事なことは、会員各社が自社の市場や事業環境と照らし合わせながら、「それぞれの会社のビジョン」として仕上げ、具体的なアクションを実践していくことです。
JCTAでは、策定からの2年を勝負の時期とし、ビジョン達成に必要な制度面の対応、ケーブル局間のインフラやコンテンツ連携、実証実験などのフォローアップを行っております。昨年は、会員各社ごとのビジョン策定と実践につながるよう、業界内啓蒙(けいもう)・周知イベントを各支部と共催してきました。
今年は業界外へのPR活動を強化するほか、関係団体との連携やパートナーシップの推進を行い、アクションプランを実行のフェーズへと移行します。
最後になりましたが、今後1年間の皆さまのますますの御健勝・御活躍を祈念いたしますとともに、関係各位におかれましては、本年も引き続き御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。