2022.01.18 「世界初の技術融合」で空中表示・入力実現アルプスアルパインと宇都宮大 非接触からメタバースも

製品展開のイメージ

 エレベーターや券売機など、誰が触ったか分からない操作盤には触れたくない。ディスプレーやパネルに残った指紋データが、誰かに盗まれないか心配…。そうしたニーズに応え、空中に映像を結んで表示させたり、空中で入力できたりするデバイスが注目されている。アルプスアルパインと宇都宮大学は18日、世界で初のタイプの空中表示/入力デバイスを共同開発したと発表した。

 活用されるのは3技術。第1に、光が入射した方向へ反射する「再帰性反射」による映像の空中表示。第2に、手が近づけば検出できる高感度の静電容量検出技術を使った空中入力操作。第3に、木目調や金属調などをリアルに再現する加飾印刷技術。それぞれの要素技術を使っている製品や開発例はあるが、「一気通貫で三つを融合させるのは、確認できる限り、世界初」(同社)。

 これらを使い、従来のタッチパネルなどと同様の、ストレスフリーな操作感を実現した。2025年の実用化をめざす。身近なシーンのほか、アミューズメントや自動車キャビンなどへの展開も検討。また、メタバースでも注目されるXR普及も見据え、ゴーグルなどを着けなくても済むような、新しい視覚情報デバイスも想定する。宇都宮大の研究室はこの分野の先駆的研究で知られ、両者は今後、製品化に向けてさらにバージョンアップを目指す。
(19日付の電波新聞〈7版〉・電波新聞デジタルで詳報します。)