2022.01.21 【LED照明特集】22年の事業戦略パナソニック くらし事業本部エレクトリックワークス社・島岡国康常務ライティング事業部長

島岡 常務

快適かつ省エネの実現目指す
独自の明るさ感指標を活用

 2021年10月からのパナソニック新体制で、エレクトリックワークス社にある三つの事業部の一つとして、「未来の当たり前を創る事業」に取り組み、30年に向け「心の豊かさとエコの両立」の実現を目指していく。

 心の豊かさは空間の状態に応じた人起点の空間価値向上を図ること、またエコについては既存光源からのLEDへの置き換え・LEDの高機能化といった単品の省エネに加え、1平方メートル当たりどれくらいのエネルギーを使っているかという空間の省エネに取り組んでいく。IoTによる照明制御や当社独自の明るさ感指標Feu(フー)を用い、明るさ感や快適さは変えずに空間の省エネを目指す。

 人起点の空間価値では、省エネ技術をベースにウェルネス(心地よさ、集中、健康)、レジリエンス(安心・安全、誘導など)、ディライト(感動、驚きなど)と三つの視点で取り組んでいく。

 例えば、ワイヤレススピーカーやスポットライト型ナノイーX発生機といった、照明に加え音や空気質向上につながるプラスの価値を生む商品(あかりプラス)、またBioSHADOWや天窓Visionなど自然を感じるあかり(バイオフィリア)、さらにアフォーダンスライティングのように動的な光によって人の回遊や滞留を誘う新しい照明の価値提案に取り組む。

 省エネについては、Panasonic GREEN IMPACTにおいて、照明の使用エネルギーを蛍光灯からLEDへの置き換えなどで35%の省エネを実現したが、照明制御や適所適光を取り入れ30年までにさらに30%削減に挑戦することが示された。

 人感センサーや明るさセンサーなどセンシング技術、調光調色技術、Feuを活用した照明設計などを取り入れ、明るさ感は変わらず快適かつ省エネの実現に取り組み、さらに30%削減を目指す。

 またあかりプラスやアフォーダンスライティングなどによる価値創造とセンシング技術による人・空間の状態把握(見える化)を掛け合わせ、快適なくらし、働き方に貢献しつつ、省エネを進めていく。