2022.01.21 【LED照明特集】22年の事業戦略岩崎電気・伊藤義剛代表取締役社長

伊藤 社長

プラスアルファのサービス提供
基幹システム刷新でDX推進

 昨年は、2026年3月期までの5カ年中期経営計画を策定した。器具やランプを作っているだけではこの先の成長は見込みにくく、メンテナンスなどプラスアルファのサービスを含めて提供していく必要がある。

 ここ数年で設置した道路灯は、当社でデータベース化を進めている。どこにどういった器具が付いているのかが分かるようになっており、導入先の管理業務のサポートに生かせないかと考えている。単にLED化するだけでなく、こうした取り組みで、新サービスにつながる可能性を模索しているところだ。

 空気循環式紫外線清浄機「エアーリア」を軸に伸びてきた殺菌ビジネスはここにきて落ち着き、次の段階に入ったと考えているが、紫外線ランプのノウハウはあるため、それを生かしてプラスアルファの取り組みを進めていく。売り上げ50億円程度を安定して稼げる事業に育てるために、エアーリアだけでなく、空間ソリューションとして提供していきたい。当社以外の製品を含め検討していく。

 これまで当社は、人材も製品も自前主義を基本としてきた。中期経営計画ではこれを変えていく。M&A(合併・買収)やアライアンスも視野に入れている。

 人事面では、日本型のジョブ型制度を取り入れたい。管理職を対象に検討しており、頑張った人が評価される形に変える。ただ欧米のようなジョブ型では合わないと思っている。年功序列は見直すが、日本企業に合った形でジョブ型を取り入れていく。

 今年の市場環境は厳しい面もあると予想する。サプライチェーンの問題で製品が予定通り納入できず、工期が伸びるなど影響が出るのを懸念している。

 そうした中でも当社は、省エネ支援によるESCO事業をはじめ、社内基幹システムの刷新によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、外部企業とのアライアンスも視野に入れた新事業の立ち上げなどを加速していく。ESG(環境・社会・企業統治)経営の観点から、再生可能エネルギーの利用促進など、社会からの要請に応えるために、環境関連への投資もしっかり実行していく。