2022.01.21 【LED照明特集】22年の事業戦略ホタルクス・山村修史代表取締役社長

山村 社長

自社ブランドの展開に注力
新事業創出や社内改革も

 2021年度は、家電量販店やホームセンターなどで前年の販売が好調だったことから、上期は前年比で伸び悩んだ。加えて部品調達の問題も発生し、機会損失も発生した。

 その半面、ホタルクスブランドの製品を昨年から展開し始めた。光触媒除菌脱臭機「HotaluX AIR(ホタルクス エアー)」やハンディー型除菌器「HotaluX TOUCH(タッチ)」、防災用LEDシーリング「HotaluX AID(エイド)」などだ。これらは、社会課題を解決するような製品を目指して開発した。これまで培ってきた照明技術を生かして製品化している。一方で、従来光源の器具や蛍光ランプもしっかりやっていくのが当社の使命だと思っている。

 今後、注力していく分野は、防災や環境、衛生関連だ。ホタルクスブランドを中心に現在種まきをしている。国内の照明市場は、蛍光灯からLEDの時代になり、LEDでも付加価値が求められるようになってきた。家庭用でも施設向けでも、エイドのように、当社らしく差別化を図った製品やソリューションを提案していく必要がある。

 現在、新事業創出や社内改革などプロジェクトごとに九つのチームを作り、取り組みを進めている。私も、2020年10月から滋賀工場(滋賀県甲賀市)に常駐し、工場改革を進めている。タッチのような独自製品の内製化で、人員の適正配置にも生かしていく。

 今年は、部品の調達問題が依然として不透明だ。サプライチェーン改革や調達先のマルチ化などを進めながら、製品をしっかり供給できるよう努めていく。ホタルクスブランドの製品もそろってくる上、完成品ばかりでなく、得意とする組み込み用途でも事業が立ち上がろうとしている。

 市場環境は前半よりも後半の方が厳しくなると見ているが、22年度では、新事業で売り上げの1割ほどは稼げるようにしたいと思っている。工場改革も22年度中には一定のめどをつけたい。注力分野にリソースを注ぎ、社内改革と同時進行で結果も出せるようにしていく。