2022.01.21 【LED照明特集】照明各社 新事業への挑戦が活発化
新事業としてホタルクスが製品化した「ホタルクス エアー」
紫外線ビジネス拡大
ノウハウや技術など生かす
LED照明が主力となり、ストック(既設照明)からの交換が加速する半面、全体の伸び悩みも指摘される国内の照明市場。照明各社も状況は理解しており、コロナ禍で変化した需要と合わせ、培ってきたノウハウや技術を生かして新領域に挑戦しようとする動きが表面化している。
「社会課題を解決するような製品を目指して開発した。これまで培ってきた照明技術を生かして製品化している」。昨年から自社ブランドの製品展開を始めたホタルクスの山村修史社長は、そう力を込める。
ホタルクスは、新事業の立ち上げを急いでおり、その一環として光触媒除菌脱臭機やハンディー型除菌器などをホタルクスブランドで発売した。事業の柱である照明製品は「NEC」ブランドをこれまで使ってきた。2019年4月に社名を変更して今年で3年がたつ。自社ブランドの立ち上げで新たな事業の柱に育てることを目指すとともに、23年10月には照明製品を含め、全てホタルクスブランドに切り替える方針も発表した。
ホタルクスに限らず、照明技術を生かした展開に本腰を入れる動きは活発だ。同時に、コロナ禍で変化した需要に合わせ、これまでニッチ市場と捉えられてきた殺菌ビジネスで存在感を示そうとするメーカーもある。
岩崎電気は、空気循環式紫外線清浄機「エアーリア」で空間除菌を提案しつつ、産業分野で紫外線技術を生かしたソリューション提案を本格化させている。エアーリアのような空間除菌装置はさまざまなメーカーが製品化しており、新規参入も相次いだ。
半面、流水殺菌などニッチでありながら技術力が求められる分野は容易に参入できない。除菌ニーズはあらゆるシーンで高まっているため、ニッチ市場と合わせて、一過性で終わらせない事業の底上げを目指している。
紫外線ビジネスは、照明各社が商機と捉えて注力している。競争は激しさを増しているが、感染症対策は今後も常態化するはずだ。深紫外線LEDの活用による小型な機器の開発や組み込み型などさまざまな製品開発も水面下で進んでいる。社会的なニーズに応える形で、市場はさらに広がりそうだ。