2022.01.21 北欧で再エネ100万kW開発東京ガス、デンマークのエネ企業と連携

 東京ガスは21日、デンマークのエネルギーインフラ事業会社、イービー社と、北欧での再生可能エネルギー開発を共同で進める、と発表した。東京ガスにとって、欧州での再エネ事業は初めて。今年中にデンマークで再エネ事業会社の共同運営を始め、2030年までに北欧全体で100万kWの再エネ開発を目指すという。

 イービー社は、エネルギーインフラ事業を手掛ける。長年、陸上風力発電も保有しつつ、電力なども供給。デンマーク国内の顧客は約14万件に達する。また、再エネを活用するために、国内の主要大学とも連携を進めているという。

 イービーグループの再エネ事業会社が、陸上風力プロジェクトを展開しており、合計出力は5万4500kWに及ぶ。東京ガスは22年内に、この再エネ事業会社の株式50%を取得して、関連会社化し、社名もトービー・リニューアブルズ社に変更する。東京ガスは、イービーグループが持つ陸上風力発電の権益のうち半分に相当する約2万7000kW分を取得する。

 デンマークでは、政府が二酸化炭素(CO₂)排出を30年までに1990年比で70%削減し、50年には実質ゼロにする目標を掲げるなど、「再エネ市場のポテンシャルが高い」(東京ガス)という。

 東京ガスは、トービー・リニューアブルズ社を通じて、イービーグループと協力を進め、デンマーク国内で再エネ開発を加速。さらに、それ以外の北欧の国々にも事業を拡大させていく方針。当面の開発は、「ノウハウの蓄積がある陸上風力が中心」(同)となる見込みだ。

 東京ガスの内田高史社長は「欧州における再エネ事業参画の第一歩となるものであり、同時に大きな挑戦となる」とコメントしている。