2022.01.26 【IIFES2022特集 】オートメーションと計測の先端技術総合展オンライン展とハイブリッド開催、きょう開幕

「SCF」と「計測展」が融合して開催された2019年の「第1回IIFES」

インダストリー4.0に関心が集まった「IIFES2019」インダストリー4.0に関心が集まった「IIFES2019」

活況を呈する国内外の製造業活況を呈する国内外の製造業

 「IIFES2022」がきょう26日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する。会期は28日までの3日間。オンライン展も26日から2月25日まで予定され、ハイブリッド開催になる。日本電機工業会(JEMA)、日本電気制御機器工業会(NECA)、日本電気計測器工業会(JEMIMA)の3工業会が共催する。経済産業省、環境省、日本貿易振興機構(ジェトロ)などが後援、日本ロボット工業会、日本工作機械工業会、日本電子回路工業会など多数の業界団体が協賛している。リアル展には167社(団体)が798小間を設け、オンライン展は100社(団体)が出展する。

 オミクロン株による新型コロナ感染が急速に広がり、首都圏を含む日本全国にまん延防止等重点措置が適用される中での開催になるが、主催者側は感染防止に万全を期して開催する。

 同展示会は従来の「SCF(システムコントロールフェア)」と、「計測展TOKYO」が融合一体化し、「オートメーションと計測の先端技術総合展」として名称も「IIFES」に一新して2019年に開催され、今年が2回目になる。

 IIFES(Innovative Industry Fair for ExE Solutions=アイアイフェス〈イノベーティブ インダストリー フェア フォー イー バイ イー ソリューションズ〉)のExEは、Electrical、Electronic、Engineeringの組み合わせを意図している。

 SCF、計測展ともに歴史のある展示会で、SCFはFA・制御機器、システムの専門展示会で単独では2017年で19回を数えている。計測展はFA、PA(プロセスオートメーション)用計測制御機器、環境計測器をはじめ計測、制御に関わる展示会で、17年で37回を数えた。長年にわたって実績を上げてきた両展示会の統合によるIIFESは、隔年開催で本来は昨年が開催年だったが、東京五輪開催に伴う会場の都合で年明け開催になった。

 展示会のコンセプトはオートメーションと計測の先端技術総合展、テーマは「MONODZUKURI という『底力』を未来へ。」とした。日本の成長や躍進を長く支えてきた基幹産業であるものづくりこそが、新たな未来を育む力になり、製造・生産などの現場に携わる人々の力がデジタルテクノロジーと掛け合わさって、国内だけでなく、グローバルに展開する「MONODZUKURI」として、ニューノーマル時代に真価を発揮する、という主催者の思いを込めている。

 会期中キーノートセッションが予定されている。26日(午前11時~正午、会議棟1階・レセプションホールB)=「サステナブルな未来へつなぐものづくり」日立製作所・青木優和執行役副社長インダストリー事業統括本部長、27日(午前10時30分~11時30分同会場)=「DX時代のビジネスエコシステム:イノベーションの『民主化』から考える」横浜国立大学大学院・安本雅典大学院環境情報学府・研究院教授、28日(同)=「DX加速に向けた政策展開」経済産業省・小川宏高商務情報政策局情報産業課ソフトウェア・情報サービス戦略室企画官。

 主催3工業会が連携して「DX」「ビジネスエコシステム・オープンイノベーション」「人材育成」の三つの柱で、業界のキーマンによるさまざまなテーマのセミナーが開かれる。

 リアル展会期中は、会場中央のアトリウムに設置したサテライトスタジオ「IIFESステーション」から、リアル展会場とオンライン展会場をつなげるメディアとして、鮮度の高い情報を「IIFES2022ONLINE」でライブ配信する。より分かりやすく、より楽しくをモットーに、聞き手と解説者によるトークショー形式で展開する。リアル展会期後は、注目を集めた4テーマを選び、IIFES2022ONLINEでキュレーションを行う。

 計測自動制御学会の協力による「大学・高専テクニカルアカデミー研究発表」が行われる。今年はリアル10研究室・オンライン5研究室が参加。オートメーションと計測・制御技術を中心に、関連するIoT・人工知能(AI)・ロボットなどのテーマで展示・プレゼンテーションを行う。最終日にはアトリウムステージで優れた研究室を表彰する。

製造業の設備投資が活発化

 コロナ禍から製造業が立ち直り、設備投資が活発化する中で、今年もFA・制御機器は高水準で推移、電気計測器は安定した需要が予測されている。一方で半導体不足やさまざまな部材不足が続き、サプライチェーンの見直しも進んでいる。

 日本電機工業会の重電機器分野の21年度上期国内生産実績は1兆6199億円、前年同期比14.4%増と前年同期を上回った。特に製造業向けの設備投資が回復し、交流電動機、サーボモーター、サーボアンプ、プログラマブルコントローラーなどの産業用汎用(はんよう)機器が好調に推移した。

 日本電気制御機器工業会によると、21年度上期出荷額は3536億円(前年同期比23.2%増)と大幅に伸び、好況だった17年度上期に迫る勢いとなった。下期も上期の高い水準が維持している。

 日本電気計測器工業会は、21年度は新型コロナウイルスや米中関係の影響は残るが、SDGs達成に向けた投資増加、新型コロナウイルスの影響からの回復傾向も見られ、製品群別では電気測定器、電力量計、環境計測器、放射線計測器が前年度比プラス、PA計測制御機器も前年度比ほぼ横ばいを見込んでおり、トータルでは6016億円(前年度比1.3%増)を見込む。

 22年度以降は、新型コロナウイルスの影響から回復し、国内外で停滞していた設備投資や公共投資の加速を期待する。「6G」技術の研究・開発に対応する通信測定器需要、脱炭素化やSDGs達成に向けた設備投資、新型コロナウイルス対策としての化学・医療分野への設備投資の増加により、21~25年度の年平均成長率は0.9%増と堅実な見通し。