2022.01.26 日立初のカメラ付き冷蔵庫、2月発売へスーパーからスマホで庫内確認できる
スマホアプリから左右ドアと冷蔵室を確認できる
「あれ、あったっけ?」―。食材を買い出しに来たスーパーでそんな経験をした人も多いはずだ。日立グローバルライフソリューションズが2月24日に発売するIoT冷蔵庫「HXCC/KXCCタイプ」には、冷蔵室を自動で撮影するカメラを標準搭載し、外出先からスマートフォンで庫内を確認できる機能を実装。情報は家族間で共有できるため、買い忘れのほか、二重購入の防止にも使え、食品ロスにつながるものとして注目を集めそうだ。
カメラ付き冷蔵庫の発売は日立初で、価格は税別40万円前後から45万円前後を想定。日本国内の冷蔵庫で、本体にカメラを標準搭載した製品は、現在は売られていない。
今回売り出す新製品は、本体上部にカメラを搭載し、ドアを開くたびに庫内を撮影し、画像をスマホに送る仕組みだ。撮影対象は両側ドアポケットと冷蔵室で、チルドルームの中身など一部写せない部分もあるが、冷蔵室全体をほぼ把握できる。画像履歴は左右ドア、冷蔵室の3カ所ごとに最大6枚まで確認できる。
庫内を写真撮影し、スーパーなどの外出先で必要な食材購入を支援しようとする機能は、冷蔵庫では以前から検討されてきた。
国内メーカーの取り組みでは、東芝ホームアプライアンス(当時、現在は東芝ライフスタイル)が2013年に売り出した冷蔵庫に、別売りの庫内カメラと専用無線アダプターを取り付けることで、カメラで撮影した画像をスマホで見られる機能を搭載した。庫内カメラは冷蔵室や野菜室など最大3カ所に設置可能としていた。
ただ、現在のIoT冷蔵庫のように無線LANアダプターが内蔵されておらず、カメラを含めて別売りである上、東芝が展開していた「フェミニティ」(20年12月末でサービス終了)と呼ぶクラウドサービスへの加入および接続が前提であったことから、普及にはつながらなかった。
これまで冷蔵庫は、食材購入後の「保存」や「使い勝手」に重点を置いて開発されてきた。今回、日立が提案するのは、買い出し前に庫内に残った食材を確認したり、食材を買いに行ったりした時に役立つ機能だ。「コネクテッドを活用することで、この部分に新たな価値を提供していく」(ホームソリューション事業部商品戦略本部国内商品企画部・小川真申部長代理)と強調する。
IoTや食品ロスへの注目度が増す中、冷蔵庫大手の日立が新型で新たな需要をつかむか――。家電量販店での販促を含め、今後の対応に注目が集まりそうだ。