2022.02.01 家電量販店 テレワーク需要続く各地でデジタル家電に動き

テレワークやオンライン授業定着でよりよい環境を求めるニーズが高まっている

 新型コロナウイルスの感染拡大が始まって2年。接触を避けるためのテレワークやオンライン授業などが定着する中、新生活商戦も近づく各地の家電量販店ではデジタル家電の販売に動きが出ている。

 ヨドバシカメラマルチメディア吉祥寺(東京都武蔵野市)は、オンライン会議に必要なカメラやマイク、ライトなどパソコン(PC)周辺機器の買い替え客が多い。

 コロナ禍で急激にテレワークが普及したことで昨年までに一通りの周辺機器を買いそろえられた。鈴木彰副店長は「現在は、音質や画質を良くしたいと、高品質なものに買い替えるお客さまが多い」と話す。同店では専用コーナーを設け、“快適な"テレワークに必要な商品を提案。客単価も向上している。

 エディオン名古屋本店(名古屋市中村区)では、1月のPC販売台数は前年比100%で推移。単価アップにより金額は伸びている。売価12万円クラスのノートPCが売れ筋で富士通が人気を集めている。

 2、3月は新入学生や新社会人などの新生活需要が見込まれ、コロナ禍でのテレワークや学校のオンライン授業などの買替えや新規需要にも期待をかける。PC、プリンターともに展示品の供給力もアピールする。

 ヨドバシカメラマルチメディア仙台(仙台市宮城野区)では、テレワーク需要は落ち着いているものの、フルワイヤレスイヤホンの動きが目立つ。テレワーク中の通話の改善などに使うケースが多く、骨伝導タイプも人気だ。

 スマートウォッチの人気も高く、初売りでも販売につながった。コロナ禍で運動する人などの購入が目立っている。

 上新電機大和高田店(奈良県大和高田市)では、PCの買い替えを考えている顧客から、オンライン会議システムを意識した問い合わせや相談が増えている。奥田光春店長は「標準仕様でカメラやマイクがPCに搭載されていても、安心材料としてヘッドセットなどを併せて購入する人が多い」と話す。

 同店ではスマートウオッチの人気が急上昇。手頃な価格の製品が増えていることもあり、「若年層はSNSの通知確認、年配の方は歩数計などの健康管理と、幅広い年齢層が買い求めている」(奥田店長)。

コーナー設置し訴求

 エディオン広島本店(広島市中区)は、コロナ禍でのテレワークやオンライン授業によってPC関連商品の需要が増えた。西館5階のPC・サプライフロアでは、テレワーク関連商品の展示コーナーを作り訴求している。

 同コーナーは、エスカレーター付近の人目につく場所に設置。ヘッドセットやウェブカメラなどの小物商品に加え、段ボールデスクなども関連商品として展示している。

 コジマ×ビックカメラマークイズ福岡ももち店(福岡市中央区)では、オンライン授業などへの需要に対応した専用コーナーも設置。手頃な価格の商品を中心にPCやヘッドセット、ウェブカメラをそろえ、まとめ買いしやすい売り場として展開している。

 1台のPCに複数の画面を接続する「デュアルモニター」の提案も進める。有田いづみ店長は「テレワークでPCの利用が増える中、複数の作業を同時に行いたいという需要がある。作業効率を上げる方法の一つとしてご紹介している」と話した。
(2月1日付電波新聞・電波新聞デジタルに詳報します)