2022.03.10 大政奉還を複合現実で体感 京都・二条城でMRグラスを活用の体感プログラム

二条城で大政奉還をMRグラスで体感

 「二条城で大政奉還をMR(複合現実)で体感」。京都市の二条城でMRグラスを活用した「大政奉還体感プログラム」が9日から始まった。地元の中学生を招待し、二条城の歴史を正しく学ぶ機会を創出した。

 今回のプログラムを企画したのはLiving History in 京都、二条城協議会(京都市などが参画)など。多くの修学旅行生が訪れる世界遺産の二条城で、点ではなく前後のストーリーを含めて大政奉還の知識を深く学んでもらうことを目的に開催された。

 再現したシーンは、慶応3年(1867年)10月12日、二条城の二の丸御殿の黒書院内で徳川慶喜が実際に大政奉還の意思を松平容保会津藩主ら5人の重臣たちに表明した場面。慶喜はボリュメトリック技術で人物の実写を3次元デジタルデータ化。5人の重臣は往時の家紋や着物の柄などを3Dモデルで再現。3Dなどの技術はクロスリアリティ(京都市右京区)が協力した。

 慶喜の動きは代々徳川家の弓馬術礼法師範を務めた小笠原流の協力を得て、歩き方や所作などを忠実に再現。慶喜は小笠原流の小笠原清基氏が演じた。

 このプログラムは黒書院内でKDDIのサングラス型軽量のMRグラスNrealLight(エンリアルライト)を活用することで見ることが可能。当日は地元の中学生など70人以上がMRグラスを装着し、歴史の大きな転換点を体験した。

 今回のプログラムは10日まで。来年度以降は、学生だけではなく一般向けにも販売を予定する。