2022.03.15 ガソリン抑制補助、大幅に増額 1リットル当たり17.7円「記録的」高騰が影響 上限拡充後、初の調査

 資源エネルギー庁は9日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて政府が緊急対策をまとめてから初めてとなるレギュラーガソリンの全国平均価格の調査結果を公表した。7日の調査で前週比1.8円高の174.6円。直近の原油価格上昇分を考慮すると次回調査では189.7円に高騰すると予測されるため、10日以降は補助支給額を17.7円に増額するとした。

 政府が4日に公表した緊急対策では、ガソリン価格の値上がりを抑制するために石油元売りなどに支給する補助の上限を、これまでの1リットル当たり5円から25円に大幅拡充する仕組みに強化した。

 その後、初めてとなった7日の調査でも値上がりは継続。高騰する原油価格の影響も受けて、10日以降はこれまでの5円から大幅に引き上げて17.7円を支給する。4週連続で従来の上限の5円支給を据え置いてきたが、仕組みの強化で今回は大幅に増額することになった。

 背景にあるのは世界的な原油価格の高騰だ。国内のガソリン価格に直結する直近の週平均の円建て原油価格が1リットル当たり10.1円上昇する事態になっている。

 10円超の高騰について、エネ庁石油流通課は「1週間に変化する動きとしては過去にほとんど例がない。記録的な価格上昇ではないか」とする。ガソリン価格を目標の172円程度に抑えるため、17.7円の補助支給が必要との試算結果になったと説明している。

 一方、7日の調査では5円の補助支給額を上回る6.1円の抑制効果があったと分析。「価格上昇の局面では競争環境が働くため、給油所が店頭価格に転嫁できていないのではないか」(同課)との懸念も示した。

 現状の原油価格高騰のペースが続けば、新たな補助上限である25円支給に到達するのは時間の問題だが、3月中にさらに上限を拡大することについては、「現段階で予定はない」(同課)としている。

 強化された補助支給の仕組みは3月末までの予定だが、同課は「ぎりぎりまで(ウクライナ情勢などの)状況を見てから、4月以降を考えたい。もう少し見極めたい」と説明するにとどめた。