2022.03.15 次世代パワー半導体へさらに前進タムラ製作所子会社、酸化ガリウムで「欠陥」解消

試作されたショットキーバリアダイオード

 タムラ製作所の子会社、ノベルクリスタルテクノロジー(NCT、埼玉県狭山市)と佐賀大学は、次世代パワー半導体として注目される酸化ガリウムで、大電流対応を可能にする技術を開発。大口径を維持しつつ、「キラー欠陥」と呼ばれるものを大きく解消したもので、省エネなどにつながるパワーデバイスの実用化に、さらに近づいた。

 ノベル社は、酸化ガリウムのエピウエハーを、100mmまでスケールアップする成膜装置を開発している。ただ、エピウエハーには、表面の傷など「キラー欠陥」と呼ばれるものが、1平方センチメートル当たり10個ほど発生。これに妨げられ、電流は従来、10アンペア程度にとどまっていた。

 今回、成膜条件を改良。キラー欠陥について、従来より9割以上少ない、1平方センチメートルあたり0.7個ほどに低減させることができた。さらに、100アンペア級のデバイスを量産できることも確認した。今後、さらなる欠陥低減と、大口径化に取り組む。
(16日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)