2022.03.22 「売れるお店」支えるパナソニックのIoT技術「マスク姿の客」も性別推定

導入のイメージ(サービスのサイトから)

 カメラでとれるデータを活用し、プライバシーにも配慮しつつ、売れるお店作りや、効率的な製造現場を支援する。そんなIoTプラットフォーム(PF)のサービス「Vieureka」が好調だ。手掛けるのはパナソニック。2017年から展開し、パートナーを募り始め、すでに60以上のパートナーと連携、店舗での来客分析や製造現場、さらに福祉・介護や農業へと活用されている。

 例えば、人流のモニタリングでは、来店客ごとの動線データ(軌跡)を描画した画像を提供するなどできる。映像を残さずにメタデータだけをクラウドに送信することで、個人情報を持たなくても運用できるのも強み。顧客には安心してもらいやすく、導入する企業でも、社内の稟議が通りやすい。また、外部とのデータ連携・共有もしやすくなる。

 どう活用するか。例えば、会員カードなど、顧客データと紐づいているはずのPOSデータが、実際の来店者層とずれることがありうる。また、陳列棚を工夫しても、お客さんの滞在時間が増えているかどうかつかむのは難しい。そうしたとき、このソリューションで、正確な男女比をつかんだり、回遊状況を確認したりもしやすい。ある菓子メーカーでは、アイスの売り上げが1割増えたという。

 また、マスクを着けて来店する人がほとんどになってきたことも踏まえ、マスクをしていても年齢・性別を推定できる機能も開発した。実際、それで性別データが大きく増える店も出ている。

 これまでカンや経験に頼りがちだったさまざまな場面で、IoT技術が進化をもたらしそうだ。

(23日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)