2022.03.24 「曲げられるデバイス」開発進む東レが新技術、25年には500億円市場へ

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 日常的な健康管理や、スポーツ中の生体情報モニターなどのため、衣類にセンサーを組み込むような製品の開発が進んでいる。また、折りたためるモニターなど、曲面にできるデバイスも注目されている。

 こうした「ストレッチャブル」とされるIoTデバイスでは、電子回路を載せられるような素材が必要となるが、柔軟でいて、耐久性もあり、洗濯しても大丈夫、といったものの開発は難しい。

 そうした中、東レは24日、同社のそうした伸縮性フィルムで、グレードの高い新タイプの開発に成功したと発表した。同社のREACTIS(リアクティス)を進化・深化させたもので、抵抗値の上昇を半減させ、精密な回路が安定的に実装できる。高温多湿な環境で長時間、耐えられることも確認した。今後、運動フォームを解析するためのセンサーや、人の指のような繊細な動きをするロボットなど、さまざまな分野に広がりそうだという。

 推計では、こうしたストレッチャブルデバイスの市場は、2025年には500億円前後に育ち、右肩上がりになるとみられる。国内外の展示会などでも注目されている分野。開発競争が広がりそうだ。
(25日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)