2022.04.05 東武鉄道、観光地の電車再エネ化EVカーシェアリングも
日光市内を走る東武鉄道の特急列車
環境負荷低い旅をアピール
大手私鉄の東武鉄道は4月から、栃木県日光市で運行する電車などを実質再生可能エネルギー100%の電力に切り替えた。二酸化炭素(CO₂)排出量が実質ゼロとなり、国内有数の観光地、日光・鬼怒川地区で、環境負荷が低い「エシカルトラベル」の実現を目指す。
対象は栃木県日光市内の東武日光線・下今市~東武日光と、東武鬼怒川線・下今市~新藤原の2路線(合計約23キロメートル)で運行する全ての電車。同区間の全12駅などの電力も含む。東京・浅草~下今市の特急列車でも電力を切り替えた。全体の電力使用量は年間で約3300万kWhに達する。
東京電力エナジーパートナーの非化石証書などを使うメニューから電力を調達する。発電所が特定できる証書も活用して、東武グループが沿線に持つ太陽光発電所8カ所の電力(年間発電量約1万kWh)も導入。沿線地域の脱炭素化に貢献していく。
東武鉄道などは、世界遺産や温泉地がある日光・鬼怒川地区で電気自動車(EV)のカーシェアリングサービスなども提供している。4月から運行を始めた実質再エネ100%の電車と組み合わせた旅行にすることで、「CO₂排出量実質ゼロで周遊できる」(東武鉄道)とPRする。
同社広報部は「国際的な避暑地としての歴史もある地域であり、手つかずの自然も残る。環境に配慮した取り組みで、環境意識の高い来訪者をさらに期待したい」としている。