オーディオテクニカは、17日に創業60周年を迎える。60周年を機に、新たな企業ブランドメッセージ「もっと、アナログになっていく。」を発表、一年を通してさまざまな取り組みを展開していく。

　オーディオテクニカは1962年4月17日、松下秀雄氏により設立された。祖業の製品であるピックアップカートリッジは、音楽と芸術をこよなく愛し、音質にこだわった松下氏のもとで開発され、高性能な音楽再生を手頃な価格で提供、音楽鑑賞の楽しみを世界中に届けるという願いにより誕生した。

　その後、振動を電気信号に変えるトランスデューサー（変換器）メーカーとして、ヘッドホンやマイクロホンなどさまざまな音響製品へとカテゴリーは広がり、販売網も日本からアメリカ、ヨーロッパ、アジア各国へと拡大していった。今もなおピックアップカートリッジの製造は、日本での手作りにこだわっており、アメリカをはじめ、イギリスやフランスなどで、アナログレコードを再生するターンテーブルのマーケットシェア1位を獲得している。

　また同社の製品は、世界中で数々の音楽祭やスポーツイベントをサポートし、多くのエンジニアやアーティストにも愛され、多様なビジネスシーンでのコミュニケーションも支えており、創業者の願いは、60年たった今も世界中で脈々と引き継がれている。

　アナログであることこそが、最高水準のオーディオソリューションを提供できる全ての原点であり、また時代を超えた人間中心の考え方であること。そして、次の100年を目指すにふさわしいと考え、新たな企業ブランドメッセージ「もっと、アナログになっていく。」を制定した。

　創業時より受け継ぐ伝統と蓄積されたノウハウ、音のプロフェッショナルが求める厳しい水準を満たす技術力で、今できる最高のプロダクトを用意した。

　日本の伝統工芸、1台1台丁寧に作り上げていく手仕事とのコラボレーションにより、最高の音と美しい姿で心を満たすヘッドホン。60年という年月と共に培ってきたアナログの手法と先進の技術を組み合わせ、アナログレコードの美しい音色をより深く体感できるピックアップカートリッジ。いずれも周年の名にふさわしい、この機会でしか手に入れることができない60周年記念限定モデルが登場する。

　ほかにも、今までレコードに触れたことがない若い世代に、アナログの良さを手軽に楽しめるレコードターンテーブルの発売も予定している。

　松下和雄代表取締役社長のコメント

　当社は今年、創業60周年を迎えました。これまでの皆さま方の温かいご支援ご愛顧の賜物と深く感謝申し上げます。オーディオテクニカの60年は、「アナログ」の精密技術を核として、よりよい社会との接点を探りながら大きく広がりました。時代の変化とともに音楽の聴き方も変化してきていますが、私たちの製品づくりも、変化を見つめて変わらなければなりません。新しい時代にふさわしいイノベーションを起こし、音楽を愛する全ての人びとに感動と喜びを提供し続けること。それが今後も大切なオーディオテクニカの役割、守るべき使命ではないかと思います。また、周年を迎えるにあたり、人の幸せについて思いを馳せました。私たちはどのように社会のお役に立てるのか。私たちは本当にお客さまに喜んでいただける存在になれるのか。自身の存在価値を問いかけてまいりました。思考を巡らせ出した答えが「もっと、アナログになっていく。」という企業メッセージです。私たちにとってのアナログは、人で在ることです。人と人との温かいつながりの大切さを未来へと伝えていく。「音」を通して、人がより心豊かな人生をおくるための一助となる。そうすることで、未来をもっと美しく彩ることができると信じております。