2022.04.20 薄さSiCの約4分の1のパワー半導体実現フロスフィアのコランダム型酸化ガリウム

コランダム型酸化ガリウムを用いたSBD。年内に量産開始を予定する

 シリコンに比べ約30倍、SiC(シリコンカーバイド)の約4倍の性能―。

 FLOSFIA(フロスフィア、京都市西京区)が手掛けるコランダム型酸化ガリウム。電圧に耐えられる強さを同等に備えた場合、シリコンの約30分の1、SiCに対しても約4分の1の薄さが実現できる半導体の新材料だ。

 既存材料より電流の流れにくさ(オン抵抗)を小さくすることができる。

 半導体は電気を運ぶ電子が存在しない領域「バンドギャップ」が大きいほど、一般に耐圧性は高くなる。

 コランダム型の酸化ガリウムはバンドギャップが大きいのが特長で、シリコンに比べ約5倍、SiCと比べても6割以上大きい。

 パワー半導体に求められる条件は、スイッチング速度の高速化と電力容量の増加だ。それには耐圧の向上とオン抵抗の低減が不可欠で、酸化ガリウムはこうした課題に応える材料として期待されている。

 コランダム型酸化ガリウムのチップを用いたショットキーバリアダイオード(SBD)の量産を年内に開始する予定だ。汎用的なパッケージを採用し普及を図る。

(21日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)