2022.04.20 【この一本】「ベルイマン島にて」(配給:キノフィルムズ)

© 2020 CG Cinéma ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinéma

 スティーブン・スピルバーグやマーティン・スコセッシら多くの映画監督たちに、多大な影響を与えたイングマール・ベルイマン。彼を熱狂的に支持するミア・ハンセン=ラブ監督が、ベルイマンの原風景と言われるスウェーデンのフォーレ島を舞台に最新作を撮影した。

 物語の主人公はアメリカからフォーレ島に来た、ともに映画監督のクリス(ビッキー・クリープス)とトニー(ティム・ロス)。創作活動と互いの関係の両方に停滞感を抱いていた二人は、敬愛するベルイマンが数々の傑作を撮ったこの島でひと夏を暮らし、インスピレーションを得ようと考えた。やがて島の魔力がクリスに作用し、「1度目の出会いは早すぎて、2度目は遅すぎた」ために実らなかった自身の初恋をベースに脚本を書き始める──。

 実在するベルイマンとフィクションの世界、そこに劇中作品も加わる。それらシーンの移り変わり方が絶妙で心地良い。

 22日から、シネスイッチ銀座ほか全国で順次ロードショー。