移動中にスマートフォンや、携帯オーディオプレーヤーで音楽を楽しむ人が増えている。最近はインターネット動画などを視聴する人も多い。これまでは標準装備のイヤホンなどを使って音楽を聞いていたが、最近はより高音質で聞きたいという需要も増え、高音質が楽しめるヘッドホン、イヤホンに買い替える人も多くなっている。特にこの2～3年は完全ワイヤレス対応モデルが人気で販売も堅調だ。

　ネットでの音楽配信サービスの普及などもあり、スマホで音楽を聞く人が急拡大している。4～5年前まではコード付きのイヤホンが主流だったが、アップルのiPhoneがイヤホンジャックを廃止してからは、一気にブルートゥースでのイヤホン接続が増えてきている。

　従来は無線では高音質再生が難しかったが、最近は無線でも高音質で再生ができるようになってきた。CDよりも高音質なハイレゾリューションと同等の音質を実現する通信の技術もあるため、現在は完全ワイヤレスイヤホンが主流になりつつある。

　この数年はノイズキャンセリング技術も注目されており、各社が技術でしのぎを削る。外出時の騒音下でも外部の音を遮断し、静粛な状態で音楽が楽しめ、ソニーやパナソニックなど各社がノイズキャンセリングへの取り組みを強化している。

　ワイヤレスのイヤホンは装着感だけでなく、駆動時間、ノイズキャンセリングのチューニングなど、メーカーや製品によって異なる。

　最近は、テレワークなどにより移動中や外出先からビデオ会議に参加するケースも多い。より音声通話しやすい機能などを求める声も多い。ヘッドホンやイヤホンを提案する際には必ず試してもらうのが良さそうだ。

　量販店などの店頭ではワイヤレス対応製品を中心とした売り場づくりをするところも増えている。聞き比べられるように配慮している店舗もある。ワイヤレス製品は単価も上がるため、音質やノイズキャンセリング性能などの違いを伝えられるPOPなども効果的だ。

　29日には中野サンプラザで「春のヘッドフォン祭2022 mini」（フジヤエービック）が開催される。約45社が出展し、最新のイヤホン、ヘッドホンが体感できる。イベントは事前登録制。

パナソニックの主力製品

「テクニクス」EAH-AZ60／AZ40、独自の音響技術を搭載

　パナソニックは　高級オーディオ「テクニクス」ブランドのワイヤレスヘッドホンの製品群を拡充し、高音質を求める幅広いユーザー層に提案を進めている。2020年から始めている完全ワイヤレスヘッドホンの展開を本格化し、テクニクスブランドでは第1弾となる「EAH-AZ70W」に続き、21年10月からは業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を実現した「同-AZ60」と、小型でデザイン性を重視した「同-AZ40」を発売。利用シーンやユーザー層などで、要望に合わせた選択ができる。

　AZ60は、直径8ミリメートルのダイナミック型ドライバーを搭載。高音域の周波数特性の乱れを抑える新開発の「ハーモナイザー」といった独自の音響構造を採用することで、自然な高音質が楽しめる。新たにワイヤレスでもハイレゾリューション音質が伝送できるLDACにも対応した。

　自分の声だけをクリアに相手へ届ける独自の通話音声処理技術も搭載している。通話中の周囲の雑音と発話者の声を判別する技術と、左右合計八つのマイクと、独自アルゴリズムによる音声解析により、声だけが相手に届くようになる。イヤホンには外側のマイクと、内側のマイクの2方式の処理を組み合わせたノイズキャンセリングを搭載。これにより業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を実現しており、場所を選ばず快適な音楽鑑賞ができる。

　AZ40は、日常的な使いやすさと装着性を重視した小型モデルになる。外れにくく疲れにくい人間工学に基づいたデザインにより、長時間でも快適に高音質が楽しめる。本体には直径6ミリメートルのダイナミック型ドライバーを搭載し、AZ60同様の独自の音響技術を搭載することで、音楽をリアルに描く高音質を実現している。自分の声だけをクリアに相手に届ける通話音声処理技術も搭載する。

　タッチセンサー部にはサーキュラー加工を施し、2カ所のマイク部には金属メッシュを採用するなど質感の高いデザインが特徴。ローズゴールド、ブラック、シルバーの3色のカラーを用意した。

　29日に開催予定の「春のヘッドフォン祭2022 mini」にはAZ60、AZ40のほか、テクニクスブランドのステレオインサイドホン「EAH-TZ700」も展示する。TZ700は演奏者や楽器が見えるような高純度な音空間をリアルに再現する。会場では各製品を体感できる。

　4月1日から6月13日までの期間で「はじめよう。いい音キャンペーン」を行っている。期間中にテクニクス、パナソニックブランドのワイヤレスイヤホンを購入し応募した人全員にデジタルギフトをプレゼントする。