2022.05.11 【調理家電特集】生活様式の変化で需要堅調

コロナ禍で内食傾向が続き、調理家電関連の需要は堅調だ

 コロナ禍で生活様式が変化し、食生活でも内食化が進んだ。在宅時間が伸び、外食を控えたことが大きな底流となった一方、家庭でおいしく、簡単に調理できるさまざまな調理家電を使いこなす楽しさも広がり、今後も内食のトレンドは続く。健康、おいしさ志向や時短・省家事ニーズなどの拡大を背景に、調理家電商品群は堅調な需要が見込める。

 コロナ禍以降、在宅時間が増え、家庭で料理をする機会が増えることで、調理家電商品群は食器洗い乾燥機も含め、幅広く注目が集まった。

 在宅時間の増加は、調理、洗濯、掃除など従来と比べ家事全般の負担を増やすことにつながる。特に調理に関わる家事負担は、後片付けまで含め大変で、負担軽減へのニーズも強い。

 このため、おいしく調理する一方、例えばオーブンレンジでは、複数の食品の同時調理やIoT機能と連携して悩みの多い献立づくりをサポートするといった機能など、時短や手間削減につながる機能開発が活発だ。

 炊飯器では、少量時短炊飯機能や冷凍ご飯用のまとめ炊きコース搭載、おかずと同時調理するといった機能が注目される。

 自動調理鍋への関心も高く、材料・調味料を入れれば、後はボタンを押すだけでおいしく調理できる〝ほったらかし家電〟として重宝される。

 さらに先進のIoT技術を駆使し、食材の注文、献立提案、レシピの配信・追加といった、便利な価値を創出する動きも活発になっていて、調理家電は全体としてユーザーに寄り添った商品進化が目立っている。

 ■市場動向

 内食化が進んだことで、全般的に伸びた調理家電商品群も、2021年度は20年度の反動で落ち着きを見せている。こうした中で主力商品となる電子レンジ(オーブンレンジ)は健闘した。

 電子レンジの市場規模は20年度、前年比9.6%増の363万台、21年度は同1.5%増の369万1000台と、2年連続して拡大している。この出荷台数は過去2番目に多い水準という(日本電機工業会調べ)。

 内食化が進み、家庭でおいしい料理を食べたい半面、手間をかけたくないというユーザーも多く、高機能オーブンレンジの需要が伸びた。

 ジャー炊飯器は、21年度は前年比89.7%の499万9000台と2年連続してマイナスとなったものの、IH式の構成比が7割を占め、おいしい炊き上がりを実現する高機能商品への関心の高さは持続しているという。

パナソニックの主力製品

IoT対応「マイスペック」シリーズ

 パナソニックは、新しい生活様式の浸透でユーザーのライフスタイルが多様化する中、一人一人にちょうどいい価値を提供する新コンセプトのIoT対応「マイスペック」シリーズ調理家電を提案する。

 マイスペック調理家電の特長は①アプリで自分仕様のスペックにカスタマイズし、本体機能をアップデート②シンプルなUIデザイン③購入後もアプリから新メニューを提供―という3点。

 基本機能に絞ったシンプルな商品ながら、購入後に必要になった機能は「キッチンポケット」アプリや、別売のアタッチメントでアップデートできる。

 年代や家族構成などライフスタイルや食の志向の変化に応じて、機能をアップデートすることにより作れるメニューが広がる。

 また、最小限の操作を可能にするUIデザインを採用し、使用する機能に簡単にアクセスできる。すっきりした操作部により、キッチン空間にもなじみやすいノイズレスなデザインとなっている。

 同シリーズとしてラインアップするのは、オーブンレンジ「ビストロ」NE-UBS5Aと、IHジャー炊飯器「ライス&クッカー」SR-UNX101。

購入後も必要な機能追加
自分仕様のスペックにカスタマイズ

「マイスペック」シリーズのオーブンレンジ「ビストロ」NE-UBS5A

 ■「ビストロ」

 NE-UBS5Aは、ユーザーそれぞれのニーズに合った価値を提案するため、基本機能を搭載したシンプルな商品ながら、今の自分に必要な機能やメニューを後から追加できる。

 必要になったタイミングで別売のアタッチメント(グリル皿=税込み5500円・スチームポット=同6600円)を購入し、キッチンポケットアプリと連携して、自分仕様に機能をアップデートでき、グリル料理や蒸し焼き料理の調理ができる。

 キッチンポケットアプリで、興味があるキーワードを選択すると、一人一人に合ったメニューが提案され、日々の食事も充実する。

 食のセレクトショップ「DEAN & DELUCA」が監修するコラボレーションメニューも順次、新たなメニューが増え、家庭で簡単にシェフの味を楽しむことができる。

 ■「ライス&クッカー」

「マイスペック」シリーズのIHジャー炊飯器「ライス&クッカー」SR-UNX101

 炊飯と調理1台2役のライス&クッカーSR-UNX101は、キッチンポケットアプリとの連携により、本体に登録する炊飯コースをカスタマイズでき、炊飯以外の調理機能も充実している。

 アプリを通じて、よく使用する3種類の炊飯コースのみを選んで本体に登録することで、シンプルな操作性・デザインを実現できる。

 ほかのコースは、スマートフォンのアプリから簡単に入れ替えられる。米の種類や食感の好みなどによって25通りの炊飯コースを搭載する。

 また、ほったらかし調理のニーズ拡大に対応し、スープや煮込み料理、ケーキなどに対応する調理機能を搭載する。食材をセットし、アプリからレシピを送信するだけで、食材の温度変化を捉え、適切な時間・火力で調理する。

 さらに、アプリを通じて、その年の米の出来栄えに応じて炊き方を更新したり、DEAN & DELUCA監修のメニューを含み、調理できるレシピが新しく追加されるなど、購入後も機能を進化できる。