2022.05.12 【この一本】「流浪(るろう)の月」(配給:ギャガ)
©2022「流浪の月」製作委員会
帰りたい場所に帰れない事情を抱えた10歳の少女・更紗(白鳥玉季)と、彼女を家に招き入れた孤独な大学生・文(松坂桃李)。2人が居場所を見つけた幸せをかみしめたその夏の終わり、文は「誘拐犯」、更紗は「被害女児」となった。
15年後、偶然の再会を遂げた更紗(広瀬すず)と文。それぞれの隣には現在の恋人、亮(横浜流星)と谷(多部未華子)がいた。世界の片隅で生きる「許されない」ふたりの物語。
原作は、2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうの同名小説「流浪の月」(東京創元社刊)。監督・脚本は、「悪人」(10年)や「怒り」(16年)の李相日。撮影監督は、「パラサイト 半地下の家族」(20年)のホン・ギョンピョが務めた。
10歳の更紗と大学生の文の関係性は、きれいごとだけでは済まされない部分もあるが、どこか許されてほしい、幸せになってほしいと思ってしまう。ダブル主演の広瀬、松坂の脇を固める俳優たちの存在感も大きく、作品に厚みを持たせる。
13日から全国ロードショー。