2019.12.30 通信機器需要予測2019 〈CIAJまとめ〉 24年度は18年度比9.9%増 5Gがけん引

 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の「通信機器中期需要予測[2019-2024年度]」によると、24年度の通信機器の需要総額は18年度比9.9%増の3兆7934億円となる見通しで、国内は同12.0%増の3兆4628億円、輸出金額を同8.0%減の3306億円と予測した。

 コンシューマ関連機器の需要総額は同9.3%増の2兆2128億円となり、次世代高速通信規格5Gがけん引していく。世界の携帯電話(スマートフォン含む)市場は年間平均成長率(CAGR)4.7%で推移し、23年に4380億ドルになる見通し。国内のモバイル通信端末は5G商用サービスの普及に向けてキャリアの施策が打たれることから、需要は緩やかに増加しそうだ。半面、家庭用電話機は減少が続く。

 ビジネス関連機器はボタン電話機やPBX(構内交換機)等のクラウドサービスなどへの移行、複合機などはオフィススペース削減に伴う設置台数の見直しなどから減少。輸出も通商問題や海外メーカーとの価格競争などで需要は微減と予測。その結果、全体では18年度比12.6%減の4278億円になる見通し。

 インフラ関連機器は5Gの商用サービスにより、基地局通信装置などで利用される機器の需要が大幅に増加する。局用交換機も20年度以降、メタル収容装置からIP(インターネットプロトコル)変換装置への投資に移行すると見られ、全体では同47.7%増の6839億円と予測。

 インターネット関連機器は、世界の通信キャリア向けルーターで5Gの普及やトラフィック増加に伴う高速ルーターへの移行が進むほか、企業向けLANスイッチはデータセンター向け高速インターフェイス製品が増える見込み。一方、国内の通信キャリア向けでは高機能製品の需要が増えるものの価格が下落して微減になる。LANスイッチはIoTの進展によりデータトラフィックが増加するため需要は増えると見られる。結果として全体では同5.4%増の2991億円を見込む。

 24年度までに大きく伸びる機器は基地局通信装置(18年度比65.3%増)、固定通信装置(同35.9%増)、デジタル伝送装置(同34.1%増)、モバイル通信端末(同10.1%増)となっている。

 予測は、国内市場についてはCIAJの独自統計実績を基に、情報通信総合研究所の協力とCIAJ会員へのヒアリングにより推定。海外市場は調査会社IHSマークイットのデータと解説を活用し、情報通信総合研究所の協力の下で行った。(おわり)