2022.05.17 【世界情報社会・電気通信日のつどい特集】「第54回世界情報社会・電気通信日のつどい」に当たって日本ITU協会 山川鉃郎理事長
年齢、性別、国籍など多様性へICTが重要な役割担う
本日、「世界情報社会・電気通信日のつどい記念式典」に当たり、中西祐介総務副大臣、外務省の赤堀毅地球規模課題審議官のご臨席を賜り、ご列席の皆様とともに開催できますことに、まずもって心より御礼申し上げます。
コロナショックにいまだ収束の兆しが見えない中、ロシアによるウクライナ侵略という重大な事態が発生しました。ロシアによる非道な行為については、その責任を厳しく問うことはもちろん、一刻も早い停戦を実現し、侵略をやめさせるために、国際社会と結束していくことが重要です。国際機関においても、もはやこれまでどおりにロシアとの間で活動を行うべきではない、との指摘もあり、私ども関係機関も厳しい対応が求められます。
そのような中、本年のITU「世界情報社会・電気通信日」のテーマは〝Digital technologies for older persons and healthy ageing〟です。高齢化が進展する中で、ICTは、いかに健康的に年齢を重ねるかという側面だけでなく、年齢的な差別の解消、さまざまなサービスへのアクセス支援など、年齢や性別、国籍などの多様性を認め合い、共に暮らしていく社会を作ろうというインクルーシブ社会に重要な役割を果たします。
本日の記念講演では、中学2年生の時に失明されながら、日本科学未来館館長/カーネギーメロン大学 IBM 特別功労教授としてご活躍される、浅川智恵子さまに、「科学技術と共に実現するインクルーシブな未来社会に向けて」というテーマでご講演いただきます。
さて、新型コロナウイルスの影響で、ITUの重要な会議も開催延期となり、今年は大きな会議が目白押しです。
2020年に予定されていたWTSAは、今年の3月にスイス・ジュネーブで開催されました。先週にはAPTの全権委員会議準備会合が品川で行われ、6月には21年開催予定だったWTDCがルワンダのキガリで、そして9月から10月には全権委員会議がルーマニア・ブカレストにて開催の予定です。
この全権委員会議では、わが国は電気通信標準化部門の局長候補としてNTTの尾上誠蔵氏を擁立しており、当選を目指します。大変重要な会合となります。
厳しい国際情勢の中、重要な会議が続きます。昨年9月に創立50周年を迎えました私ども日本ITU協会も、次の50年に向かって、本日ご臨席の皆さまや関係する皆さまともども、会議の成功に積極的に貢献して参りたいと存じます。
そして本年も、この式典において情報通信・放送分野における国際的な活動に貢献された皆さまに対し、総務大臣賞および日本ITU協会賞をお贈りできることを喜ばしく思います。
受賞される皆さまのご功績に心からの敬意と感謝を申し上げますとともに、本日が世界と、わが国の情報通信・放送分野の発展に意義深い日となることを祈念し、開会のあいさつとさせていただきます。